Act-Tittle:Pieces on The Board
●OPフェイズ
シーン01:【チャクラ】 メアリー・スーのOP
場所:斑鳩のとある邸宅
チチチチ……
チチチチ………
ドロイドではない、本物の小鳥の声が、木立の中から聞こえる。
イエローよりよほど高級で、ホワイトのように騒がしくない…斑鳩の高台。
完璧に手入れをされた庭と白亜の壁の邸宅があった。其処に住むのは、60前の貴婦人と使用人が数人。“災厄前”のドイツ語で赤を意味する名をもつ、この女性を周囲の住人は“紅婦人”とよんでいた。
午後のうららかな日差しのそそぐ庭の照らす、“紅婦人”ことロートは、ヴィル=ヌーヴの職人手製の木星チェアに腰掛け飽きることなく、木立の中でさえずる小鳥を眺めていた。
数刻後、芝生の上を歩きながら足音一つ建てることなく、初老の執事が、銀盆には、“ロイアルコペンハーゲン”の磁気のポットと、おそろいの柄のカップ。
そして、クロテッドクリームが添えられたスコーン……。
見事な手前で、そそがれる琥珀色の紅茶からは、蘭のような優美な薫りが漂う
“紅婦人”の前には旅装の少年が座っていた。いや、少年なのか少女なのか解らない
中性的でいて神々しき魅力を備えていた
RL:
まずはメアリーのOP。場所はアクトコネ、ロートの私宅
ハヤト(執事):
「奥様、本日はお客様がおいでと聞きましたので、勝手ながら秘蔵の祁門を出させて頂きました」
RL:
「あら、さすが気が利くわね。
どうぞお客様、当家はどなたにも門戸はひらいておりましてよ」
メアリー:
「どうも。ある人から、N◎VAを訪ねるなら貴女を頼るようにと…」
RL(ロート):
「あらあら嬉しいわね」
慈母のような笑みをたたえつつ紅茶とスコーンを勧める
路地裏の華:
これが、チェスを指すように敵を謀殺していく【クロマク】ですか
ハヤト:
悪人のボスは得てして誰よりも善人に見える
RL(ロート):
「さて、旅人さん。この街はどうですか?」
メアリー:
「綺麗な、街ですね」
RL(ロート):
「見た目はね。でも一つ路地を入れば裏では悲しい事件も起きているのですよ」
メアリー:
「どこにでも裏はあると言うことですね」
RL(ロート):
「そう、例えば――北米の『カーライル』という組織が、この街の利権を狙って進出してきたの。当然この『街に元々居る』人たちは抵抗するでしょ」
執事にボードを持ってくるようにいう
路地裏の華:
きた!ゲーム盤!!
※このロート婦人はゲーム盤を指しながらゲームをするように“社会戦”をするスタイルのようです
金川仁(執事):
「お待たせ致しました」
今ではこれ自体で一財産となりそうな象牙のチェスセットを恭しくテーブルに置き、茶菓をサイドテーブルに移す
RL(ロート):
「例えばこのように、戦力が拮抗したままぶつかり合ったらこの街の被害はどうなることでしょうか」
優雅な手付きでコマを並べ出す
メアリー:
(RLの意図を理解し)ああ、そういうことね。私が火を着ければいいのね
「ゲームでは誰も傷つきませんけどね。いっそゲームで勝敗を決するのはどうですか?」
RL(ロート):
「あらあら、旅人さんは面白いことをおっしゃいますわね」
ほんの一瞬、ロートの笑みが妖しく輝いたことをメアリーは気付いただろうか?
RL(ロート):
「せっかくですから一局いかがですか?」
メアリー:
「――いいですけど、僕は強いですよ?」
RL(ロート):
「あら? おばあちゃんも伊達に年は経ていませんわよ?
私が白(先手)で宜しいかしら?」
コロコロと笑い、白のポーンを一つ動かす
無邪気な老婆の笑み
その一言、その裏にどれだけの猛毒が潜んで居るかも知らずに旅人はその館に身を置いた。それこそが、この街を舞台とした壮大なゲームの始まりだとも知らずに……
河渡連合とマーダーインクの夜の覇権の奪い合いは日ごとに凄惨さを増した
ある時はスラムで軍隊規模の打ち合いが始まり、必要ならホワイトエリアで要人暗殺が行われる
犯罪者同士の暗黙の了解で守られていた殺しのルールは破られた
トーキョーN◎VAが警察軍隊を巻き込んだ紛争地帯になるのは秒読みと言われたその時
一人の黒幕が画期的な提案をだした
トーキョーN◎VA The Datonation
『Pieces on The Board』
チェスの駒達は何を想いながら盤上で闘い……散り逝くのだろうか?
数多の命を燃料に運命の扉は開く
シーン02:【クグツ】 荒木ハヤトのOP
場所:ナイトワーデン社長執務室
『ナイトワーデン』無法の街N◎VAにおいて、たったひとつの“信用”を売りにする騎士達が集う場……
騎士団の中央に座すは、1時間1シルバーと称される至高の騎士“銀の守護者”
その男の呼び出しに応じ、一人の時代遅れの錆び付いた騎士が入室した。
ハヤト:
「荒木ハヤト、入室します」
RL(ブロッカー):
「相変わらず“堅苦しい”な。若い奴らを見習えとは言わないがもう少し楽にしたまえ
この街じゃあ“チャンドリアン”は生き残れない」
ハヤト:
「善処はします」
※チャンドリアンとは、ハードボイルド小説の巨匠:レイモンド・チャンドラーと作品群の影響を受けた人、登場人物の生き方を気取って居る人のことだといわれてます。
RL(ブロッカー):
「さて、今日呼んだのは仕事のことではない。」
デスクの上にモバイル端末を出す
そこには再開発地区の一定期間封鎖、及び登録市民の事前退去を勧告する行政布告が載っていた
ハヤト:
「これは?」
RL(ブロッカー):
「私も行政に関わりある友人に聞いたところだが…『Xランク市民狩りが行われる』『犯罪組織同士の戦争が始まる』等々要領を得ないのが実情なのだ。
君の住居は再開発地区…REDエリアだろ?
仮の住居は私が手配する。今すぐにでも引っ越しなさい」
ハヤト:
「――できません」
RL(ブロッカー):
「なぜだ?」
ハヤト:
「…………一身上の都合で」
RL(ブロッカー):
「む。……家族か」
※ハヤトの内縁の妻と同居人はそろいも揃って非登録市民(Xランク)です。ハヤトがスラムに居をおいているのもそのためです
ハヤト:
「家族を置いて自分だけ難を逃れるつもりはありません」
RL(ブロッカー):
「──つまり、君の家族も共になら避難をすると?」
ハヤト:
「非登録市民(Xランク)は隅田川を越えられない。それは周知のことです」
RL(ブロッカー):
「一つ方法がある。 少し待ってくれ」
ブロッカーは電話でどこかに電話をかけて出した。相手は相当の大物のようで、ブロッカーが敬語を使っている
「そうですか。丁度同じものがありますか? ……ではお代は言い値で引き落としください」
路地裏の華:
金川さん、また借金しそうな空気ですね
ハヤト:
イヤッハー、大体何が行われているか予想がつくけどね
「──ブロッカーさん! まさかっ!?」
RL(ブロッカー):
「ああ、買った」
《買収》でシンシアとユウキの市民権を買う。
「今回は、私が勝手にやったこと。 君の腕は金では買えないのだ」
ハヤト:
「ありがとうございます。」
IDの売買、N◎VA で行われている非合法の商売
一人がIDを得ると言うことは、一人がIDを失い人間で無くなること
もちろん相手は対価の金銭を得るのであろうが……
そのことに気付いているのは何人いるのだろうか
シーン04:【レッガー】 “路地裏の華”のOP
場所:ストリート
無法中の無法の局地:スラム、そこに咲く一輪の名無しの華
それこそが“路地裏の華”である。来歴も不明、わかっていることは物心ついたころからN◎VAにいたということ、そして“白雪姫”と呼ばれたマネキンが居なくなった後、“至高の華”と呼ばれるようになったこと
それだけである。
RL:
舞台はストリートの安宿のような施設、暗闇の中で“路地裏の華”はシーツ一枚で転がっています。
安っぽい香水と脂ぎった体臭が混じったような異臭が立ちこめています。
横にいた男がのそのそと起き上がり、側に1ゴールドを置く
「そういえば、聞いたかい? もうすぐスラムが一時閉鎖されるそうだよ」
路地裏の華:
「そう。」
特に関心無く傍らのミネラルウォーターのボトルを手に取る
RL(客):
「なんでもさ、カーライルが戦争でもはじめる位兵隊をスラムによこしてるって取引先の客がいってたのさ」
路地裏の華:
「……」
興味なさげにミネラルウォーターに口つけます
RL(客):
「だからさ、俺がID買う金出すから…名前買わないか?
俺、一生面倒見るからさ」
路地裏の華:
「──私はそこまで安くないから。私を買うなら…そう、この街を掌握できる位の力がある人がいい」
気怠げにユニットバスに消えていく
「もう時間だから、早く退出しないと延長になる」
何もない“華”が武器と出来るのは己の身体のみ、求める物は武器を振るわずにすむ力
だが、世界の無情は一輪の華すら摘み取ろうとしていた
RL:
では、シャワーを浴びて出てきた“路地裏の華”はドアに折りたたまれたペーパーが差し込まれて居ることに気付く。
路地裏の華:
「なにこれ?」
片手でドライアーをかけ不審げにドアから抜き取り一別する
RL:
そこには、無機質なワープロ文字でこう書かれていた。
一言でいうなら無機質な条項分で書かれた『殺人予告状』であった。
・日付変更と共に、スラムは24時間封鎖され一切の出入りを禁止する
・その間、スラムでは『河渡連合』と『カーライルシンジゲート』による代理戦争が行われる
・ゲーム内容は、24時間以内にXランク市民を何人狩ることが出来るかというものである。登録市民を殺傷した場合はランクに応じて減点とする(死体が確認された場合のみ)
そして、こうも書かれていた
「貴方は、最高得点の標的として選出されました ご武運をお祈りいたします」