●Recerch4
シーン20:【カリスマ】 合流シーン
場所:スラムの廃棄ビル群
廃ビルに潜んでどれだけ時間が経っただろうか
電気すらないビルの暗闇の中に人影があった
路地裏の花:
「こんな情けないおっさんが、この街の伝説の一つ“銀の腕”とは思わなかったわ」
ハヤト:
「伝説の正体なんて、大体そんなもんだ。
見ての通り、“銀の腕”はただのサイバーアームに過ぎないし、右腕を機械化すれば誰でも名乗れる。
──その程度のものさ。
それに私が“銀の腕”という保証がどこにある?」
路地裏の花:
「一つ聞いていい?」
ハヤト:
「答えられることなら」
路地裏の花:
「なんで“銀の腕”を隠しているの?
名前を聞くだけでカーライルだって逃げだしたじゃない」
ハヤト:
「柄じゃないからさ」
路地裏の花:
「わざわざ得た力を隠してるなんて馬鹿じゃない?
いえ、むしろ傲慢
伝説を隠しているの自分が謙虚で格好良いとか思っているんでしょ?」
ハヤト:
「──君は、よく切れる武器を見せびらかして横道を歩いたらどうなると思う?
確かにみんな道を開けてくれるかもしれない。
ぺこぺこする人もいるだろう
でもそれは、その武器が怖いからであってその持ち手に敬意を払われているわけじゃあないんだ」
路地裏の花:
うほ! やはり返すとしたらこうだろう
「それは、あんたが其れだけの物を持ってるからいえるだけでしょ! 私には何もないのよ!!」
ハヤト:
「それは自分で探すしかない」
メアリー:
「望めば“銀の腕−ルーク−”にも“英霊”にもなれるというのに
ちっぽけなものに拘るから変われないのです」
ハヤト:
「誰だ」
メアリー:
「初めまして、というべきでしょうか?
“銀の名を継ぐもの”、“銀の腕”」
ハヤト:
「──何物だ。そして、気安く“字名”で呼ぶな」
サイバーアイを赤外線視覚に変更し、6th-UNICAを向ける
メアリー:
「強いて云うなら、仲間でしょうね。」
セクレタリを渡す
「見てください。貴方の選んだ選択の結果です」
〈隠れバディ〉=10【理性】+5(報酬点)+S6=21
RLシーンの光景と二勢力の動きを知る
そこに映っているのは阿鼻叫喚の地獄絵図だった
路地裏の華:
「!!!!」
余りの光景に【理性】の制御判定に失敗してREVERSEします!
RL:
まあいいだろう
メアリー:
「──“剣無き騎士”荒木ハヤト。剣を振るわず貴方が選んだ選択の結果です」
ハヤト:
うわ、懐かしいハンドルだなw そう呼ばれるの7年振りかも
「──どういうことだ?」
※荒木ハヤトは、“銀の腕”と称される前は“剣無き騎士”と名乗っていました
メアリー:
「貴方はそのクイーンを救った。勝負を分ける高得点を見失った狩人はどうすると思いますか?
子粒でもいいから点数を稼ぐために手当たり次第に人を殺すしか無いでしょう。
クイーンが囮になれば、数多のポーンの死亡率は半数以下になったはずです」
ハヤト:
「つまり、彼女を見捨てればよかったと!?」
メアリー:
「責めはしません。
あの段階での貴方は正解を知らなかった訳ですから」
ハヤト:
「──ふざけるな! 人を救うことに何の悪がある」
メアリー:
「では貴方はスラムの住人全ての命を貴方一人で守れたと?
──アーバンレジェント?」
ハヤト:
「お前は──神のつもりかっ!!!」
メアリー:
「僕はそこまで自惚れてません。
結果論を述べているだけです。
そんなに時間がありませんので、結論だけを述べます」
ハヤト:
「承ろうか」
メアリー:
「これはゲームです。
レッガーとストリートのチェスみたいものでしょうか。
僕がキングで彼女がクイーンみたいなものです。
まもなく相手が押し寄せてくるでしょう、『河渡』と『カーライル』の指揮官を倒せば勝ちです」
ハヤト:
「随分な勝手な云い方だな」
メアリー:
「生き延びたいなら戦うしかないですよ?」
ハヤト:
「自分の身は自分で守れ」
メアリー:
「キングが死ねばゲームは即座に負けですよ」
ハヤト:
親の敵でも見るような視線を飛ばし、毒をはくように
「──代価を」
メアリー:
「私に出来ることならなんでも1つ叶えましょう」
ハヤト:
「随分な物言いだ。
では、このふざけた三文芝居の脚本家を教えてもらおう」
メアリー:
「構いませんが、多分後悔しますよ」
ハヤト:
「──反省はしても後悔はしない。」
メアリー:
「では成功報酬で」
周囲に大量の気配が近づいてきた
狂ったゲームは王と女王を向かえての最終局面に向かっている
勝つのは白か? それとも黒か? ──それとも……