シーン:30 【クグツ】
共通ED
場所:再開発地区廃ビル群
 
RL では、目の前には。アムタールだった者が転がっている。
 
メタル 「悪いが、死体は。こちらで頂く」
 
リョウジ 「まあ、良いだろう。 此奴の罪状を問うとなると、いろいろと厄介そうだからな。 俺は、自分の役目は果たしたからな」
 
メタル 死体を担ぎ上げる。
 
リョウジ 「一つだけ、確認させてもらおう」
 
メタル 「言えることならば、な」
 
リョウジ 「お前に“依頼”をしたのは“ケルピー”という名前の奴か?」
 
メタル 「そうだ。」
 
リョウジ 「そうか。 契約を途中で変更した、ペナルティ代わりに。“根っこ”の方は始末しておいてやろう。」
 
メタル 「――――『ToF』とかいう集団の【クロマク】を知っているのか」
 
リョウジ 「そんな組織は知らないな。 ただ、“ケルピー”という名の子分を使う奴に心当たりがあるだけだ。」
 
ハヤト 「……先輩。一体、何が起きようとしているのですか!?」
 
リョウジ 「さあな。『政治』の世界はよくわからん。 ……ただ、お前は立ち入らない方がいいだろうな。」
 
ハヤト 「…………」
 
メタル 「そういうことだ。 今回は、偶然が重なったと云うだけだ。荒木ハヤト!」
(消える)
 
リョウジ 「ま。 お前がそういう生き方をする限り、バカ共と戦わざるを得ないのだろうけどな。」
 
 
シーン:31 【ミストレス】
荒木ハヤトのED
場所:BAR『ガスライト』
 
RL(クレア) 「ハヤトさんのお陰様で、エレイシアも無事でした。 本当に、ST☆Rから戻ってきて下さって助かります☆」
 
ハヤト 「………………」
 
RL(クレア) 「ハヤト……さん?」
 
ハヤト 「――私は、一体…何をやっているのだろう。」
 
RL(クレア) 「ハヤトさんは、沢山の人に、“生きる力”を与えてこられたじゃないですか!
 ……私だって、貴方が居なければ……!」
 
ハヤト 「【カブト】でなくても、その気になれば人を護ることが出来る。
それに、今求められているのは。“スタイル”なんてものではなく“明確な力”です。
 ……幸運が重ならなければ、私はエレイシアを護ることは出来なかった…………。
私は、ニューロエイジで生き残るための、“クールでエッジ”な思考を麻痺させていたのかもしれません」
 
RL(クレア) 「そんなに、自分を責めないで下さい。」
 
 革命の果てに、生み出されたのは『混沌』であった。
ハヤトが得た、“名声”は“伝説”へと昇華し……形のない“偶像”となった。
 
 この世界で生き残る為に必要なのは、相手よりも強大な…何らかの“行使力”を有すること。 綺麗事だけの“理想論”には、誰も耳をかたむけないのか!?
 
 ――“理想”を通す為には、他者よりも大きな“力”を得なければならない。
だが、“力”を得た果てに“理想”はあり得るのか…………。
 
 ハヤトは、他者を護ることでしか“生き様(スタイル)”を表現できない【カブト】として悩んでいた。 それは、懊悩といってもいいのであろう
 
 
 
シーン:32 【レッガー】
“メタル・エッジ”のED
場所:どこか
 
メタル 例のセクレタリを使用して、“ケルピー”と落ち合う。
 
RL ほいほい、では“ケルピー”はとある“砦”を指定してきた。
 
メタル 「……お望みの要求は、全て満たしたはずだ。」
 
RL(ケルピー) 「ああ、此方でも確認した。」
 
メタル 「では、約束通り。 爆弾を解除して貰おうか」
 
RL(ケルピー) 「いや、君の手腕には、幹部一同感心している。
……どうだ、これから『ToF』の専属暗殺者として働かないか? 
【エグゼク】としての正式なビジネスだ」
 
メタル 「ゴメンだな。 【カゲムシャ】風情から仕事を依頼される程、俺は安くない。
俺を雇いたいなら、【クロマク(本人)】を連れてこい。」
エレイシア(偽物)とアムタールの死体を放り投げ、退出しようとする。
 
RL(ケルピー) 「お前に、選択権はない!! 爆弾の解除をすると、何時いった!」
ポケットロンを取り出す。
 
メタル 「……契約違反は、いけないなぁ。」
くるりと振り返り、音を立てながら“ケルピー”に近付く。
 
RL(ケルピー) 「近付くな! ま、まて……話をしよう!!」
 
メタル 「ほう?」
 
RL(ケルピー) 「君に相応しいだけの、報酬を用意した!」
《買収》
 
メタル 《死の舞踏》
 
 アタッシュケースからこぼれ落ちる、大量のプラチナムキャッシュ!
その、白金色の板に、紅い飛沫が飛ぶ!!!
 
メタル 「契約は成立だ。 今から俺はお前のものだ。…おや? 返事がないな。 
まあ、依頼主が死んでしまっては仕事にならないな。(悪魔のように笑う)」
アタッシュケースを片手に、“砦”から立ち去る。
 
 
 ――命令できる存在は、自分でしかない。 ニューロエイジの“悪徳”を体現する鋼鉄の狂獣。 ……その名は、“メタル・エッジ”。 
例え、この世を裏から支配する【クロマク】であろうとも、彼の首に鎖をかけることはできない。
 
 
シーン:33 【カゲ】
山本リョウジのED
場所:『SSS』本部
 
RL 留置房の監視室ではカーヴァがノンビリとDAK放送を見ながら珈琲を飲んでいる。
 
リョウジ 「よう、世話になったな。」
 
RL(カーヴァ) 「いえいえ、事件は無事に落着したよーですね」
 
リョウジ 「そうだなぁ〜。 だが、後一つ解決しなきゃいけない問題が残って居るんだよ」
 
RL(カーヴァ) 「はぁ、それは大変ですな」
 
リョウジ 「……手前ぇは、『浄化派』に関わって、何を企んでいる?」
真打の鯉口をきる。
 
RL(カーヴァ) 「………………」
 
リョウジ 「手前の瞳……“ケルピー”だったっか? それが、『浄化派』の妖しげな研究を独占しようとしたそうじゃないか。ネタは挙がっているぜ?」
 
RL(カーヴァ) ペルソナを【イヌ】から【レッガー】に変更。
「――――流石は“猟犬王”。 噛みつくことしか出来ない、最近の猟犬とは違うな」
 
リョウジ 「褒めても、何も出ないな。 まあ、どこに隠しているかは知らないが。
アンタが、ウォーカーを乗り込むより、俺の刀の方が速いぜ?
――命が欲しいなら、話した方がいいかもな」
 
RL(カーヴァ) 「面白い冗談…だな」
 
リョウジ 「試してみるか?」
 
RL(カーヴァ) 「……その代償は、重いぞ?」
リモコンを操作し、DAKの画面を切り替える。場所は『BH』のどこかの部署。
「私には、“ケルピー”が居る。 あらゆる組織の中に……だ。」
画面が、アップされて……一人のやんちゃそうな女性警官に焦点が合う。
――――君が切り倒した、ゼロの娘……レイだ!!
 
リョウジ 「手前っ! 俺を脅す気か!!!」 (柄に添えた手に動揺)
 
RL(カーヴァ) 「彼女にも父親と同じように……【イヌ】の正義に殉じてもらおうか?」
《不可蝕》
…………この男を殺す為には……別の命を必要とする。
 
リョウジ 「!!!!!!!!!!!」
《死の舞踏》 ダメージは(0以下/ダメージ無し)を演出
 
 その瞬間、まさに一迅の疾風が鞘の内から放たれた!
その刃は、カーヴァの頸動脈から1mm離れた場所を通り抜け……壁に突き刺さった!
剣を極めたことしかできない……神業の領域。 それは、偶然ではなく必殺の気迫をこめて打ち出されている!! その気がなれば、斬られたことも解らずにカーヴァは絶命していたであろう……
 
リョウジ 「……今回は。首はお前に預けてやる……!!」
 
RL(カーヴァ) 「眠りなさい、“猟犬王”。 ……舞台が貴方を必要とする、その時まで」
 
 
リョウジ 無言で立ち去る。
 
 
 真の【クロマク】の薫陶を背に、“猟犬王”は立ち去った。 この男を倒す為には、2つの条件が必要だ。
《真実》を知ること、 ……そして、あらゆる犠牲を払っても良いという覚悟。
 
 数年前の自分ならば問答無用で斬り殺したであろう。 だが、今の自分には…自分が斬った親友から託された“使命”がある。
 
 闇の砦から、抜け出した猟犬の王は…… 澱んだ灰色の空に向かって咆哮した!
 
 
 
シーン:34 【カブキ】
飛鷹ユウキのED
場所:BAR『ガスライト』
 
RL 時間は、ハヤトのEDの直後で良いのかな?
 
ユウキ はい。 で、そのしんみりした空間に、勢いよく乱入!
「こんにちわーーー!!」
 
RL(クレア) 「いらっしゃいませ」
※おい、クレア。 未成年をBARに入れるなよ! 
 
ハヤト 「……」
黙って、氷が溶けきって水割りになってしまったアイリッシュウイスキーのグラスを口に含む。
 
ユウキ 「俺。色々考えたんだけど……。
俺、【カブト】なるよ……。 だから、ハヤトさん! 俺を弟子にしてくれ!!」
 
ハヤト 「ぶーーっ!!」 ウイスキーを吹き出す
 
ユウキ 「俺、感動しちゃったんだよ! 
あんなに傷だらけになっても絶対に信念を曲げないなんて……」
 
ハヤト 「あ、あのなぁ……。私が人にものを教えれるような人間にみえるか?
…………自分の身すらも守れなかった男だぞ。」 
 
ユウキ 「でも……俺の命を守ってくれた!」
 
RL(クレア) 「ハヤトさん……。
貴方のやっていた事を認めてくれた人が、居たじゃないですか」
 
ハヤト 「そうですね。」 
微笑み、手を差し出す。 
 そして、かって幼き日に自分がカブトを志したときに、ブロッカー氏に問われた言葉を紡ぐ。
「――――ようこそ、“ニューロエイジの騎士”を志す者よ。 されば、汝に問わん。
その道は、果てしなく険しく…命は綿のように軽い。
 それでも、汝は……弱者をあらゆる刃から護る為の【カブト】を志すか?」
 
 
 ニューロエイジは果てしなく過酷で、“正義”も“道理”も有り得ない。たとえ、地に伏し泥を啜ろうとも……己の“生き様(スタイル)”を貫こうとする者が居る。
 
 全てを奪われようとも“スタイル”を貫いた男の“生き様”は、一人の少年の生き方を変えた。
 
 かっての“英雄”、それを追い求める若き星。 この二人の【カブト】の物語は、
また次の機会(アクト)に語る事になるであろう……。
 
TOKYO NOVA-Detonation to Replay
[つくられた創世記-Forged Legend-]
 
THE END