●クライマックスフェイズ
シーン22:【フェイト】 クライマックス
場所:木更津湖畔の埠頭
 
 霧が立ち込める木更津のコンテナと倉庫が密林のように建ち並ぶ埠頭。
その中に、立つ男が3人。ボトム=パーチメント、ベルトナール=峰…そして、“銀の腕”である。
 
RL(ボトム):
「――――遅いな。」
 
メタル(ベルトナール):
「と、いいますと?」
 
クレア(P):
ああっ! ゲストが〈ドミネート〉された(笑)
 
RL(ボトム):
ま、まあ……ゲスト2人を自分一人で裁くと、寒いし
「“光陰”が作業を終え、報告する時間なのだよ」
 
メタル(ベルトナール):
「ハハハ、今まで“光陰”の任務達成率は、100%。心配する必要ないでしょう」
 
RL(ボトム):
「………君は、媒介識(DIANOIA)という用語を知っているかね?」
そういって、“キャルム”相当の葉巻に火を灯す。
 
メタル(ベルトナール):
「はぁ?」
 
RL(ボトム):
「ストリートのチンピラでなら、才能さえあれば善かっただろうが、
【エグゼク】は、教養の一つも無いと成り立たないものだ」
実に旨そうに、紫煙を吐く。その煙だけで、“シルバー”が飛んだであろう……
 
メタル(ベルトナール):
「…………」
 
――黎明の刻。水平線の彼方が僅かに白みだした。
 
RL(ボトム):
「君の言っている事は、過去の経歴という“前提”を元に、“推論”によって導き出した“知識”……即ち限りなく確実な予想にすぎない。
ピースの1枚足りないパズルは、それが『何か』であるか解ったとしても、『完成』では有り得ないのだ。」
識見の深さに、項垂れる“成り上がり者(ベルトナール)”。我関せずといった風情で、倉庫の横にあるドラム缶に悠然と腰掛ける“銀の腕”…
朝霧は濃く…数m先がぼやける
 ――さあ、期は満ちた。存分に見栄を切りたまえ!
 
ここで、闇の会談が始まるが……詳細をあかすと、このシーンがつまらなくなるので省略。
 
グリフォン:
「――ならば、お前は“哲学”とは何か、知っているのか?」
 
濃い濃霧の中から、人影が一つ、ボギーコートを着込み現れる老雄…
その姿に、年月は感じさせず…その眼光は、往年のままであった
 
グリフォン:
「“philosophia”とは、純粋な知恵への愛・希求の意。即ち…純粋なる向学心と探求心のこと。
 ――お前のように、知識をひけらかして悦に浸るものではない」
 
メタル(ベルトナール):
「だ、誰だ!?」
 
グリフォン:
「お前達のような、外道に名乗る安い名は持ち合わせていないが…
問われた以上は、答えてやろう。 
――――“With Wing”。公正の天秤だ!」
〈交渉〉+〈サブリミナル〉+〈名声〉=D4捨てて、“キー効果(理性で21)”を演出!    
 
メタル(ベルトナール):
「あの……“翼在る”者だってぇ!?」
 
RL:
特技も〈心理〉も無いので、【理性】【感情】【外界】でもってってください
 
グリフォン:
「お前達の悪行は、拝見させてもらった。 業は溜まり、天秤は傾ききった!! 傾ききった天秤の皿に載った品物は、どうなるかは解るだろ?
 ――奈落に落ちるだけだ。」
 
RL(ボトム):
「ご高説痛み入る。だが、ここは『BH』の私有地…即ち、我が“王国”!
ここで起きた事を、ドラマのように法で裁くことはできぬよ!
 ……そして、奈落と対になる分銅が見あたらないな」
 
メタル:
「――――俺が、“奈落”だ。」
悪魔のように嗤い、赤熱する息を吐く
 
その時! 濃霧の中に、一つの灯りが点った!!
それは、闇を照らす道標ではない……死神の手にある洋燈(ランプ)だ!
不気味な炎を携え、N◎VAの背徳の権化:“鋼鉄の獣”が現れる…。
 
メタル:
「クククク……“王国”だと!? 都合のいいことだ!!
ならば、ここで何をやろうとも……誰にも干渉できないということだな」《不可触》
その、堅き城塞は…そのまま逃げ場の無い牢獄と化した! ここで起きうること全て、世界に知られることはない!!
 
万物の原理は、常に相対。 
堅き防御は、翻っていえば逃げ場が無いことにもつながる。
 この地は、『BH』の占有地……たとえ、何が起きようとも……誰も関わろうとしない!!
 
グリフォン(ベルトナール):
「ひ、ひぃ! …ぎ、“銀の腕”! 今こそ仕事の時だ!!」
 
RL:
では“銀の腕”は、悠然と立ち上がり…ニヤリと不敵に笑った。
「――――ほぅ、あれだけの圧力をうけて尚…生きていたか、荒木ハヤト」
 
ハヤト:
ムムッ、ここまでお膳立てされた以上…出ざるを得ない。
 
ザッ、
濃霧をかき分ける人影が更に一つ…
与えられるべき栄光を拒み、その身を鮮血に染め上げながらも歩むことを諦めない“不破の盾”! 
……その名は、荒木ハヤト
 
ハヤト:
「――――私は生きています。…そして、私はあの頃のような、ヒヨッコではない!」
 
クレア:
「……そう。諦めない限り、終わりじゃありません」
 
その傍らに立つは、天秤の分銅……。この泡沫の夜の【女王(ミストレス)】失ったものは…多い。
 だが、その代わり…【ミストレス】としての、生き様(スタイル)を学んだ
 
RL(ミハエル):
「……ほぅ? 多少は修羅場を潜ってきたようだな」
 
ハヤト:
「私は…あの時のような“剣無き騎士”じゃない… 
――私の手には、確かに“剣”がある!」
 
 
シーン23:【クロマク】 クライマックス
場所:木更津湖畔の埠頭
 
RL(ボトム):
「俳優(キャスト)は全員そろったのか?」
 
グリフォン:
「ああ、その通りだ。」
 
RL(ボトム):
「見栄をきるのは結構。 なかなかに楽しい三文芝居だった。
だが、今までの成果…即ち“過去”は変えられまい!
 ――たとえば君だよ、“白雪姫”。…君の受けた苦痛は、その成果だよ!
受けるべくして受けた!! 罪の代価だ!!
数多の男を手玉にとり、躰をひらき…愛欲を貪ったその過去だっ!」
《神の御言葉》! 目標は、クレア。
 
クレア:
自分じゃどうしようもないので、庇ってください(泣)
《ファイト!》 をハヤトさんに
 
ハヤト(P):
そりゃ、使うけどなぁ…。 なあ、RL。データー上は《難攻不落》だが、
クレアが自力で耐えるという演出は認めてくれないか?
――――その方が、かっこいい
 
RL:
了承!(2秒)
 
ハヤト(P):
《難攻不落》!
 
クレア:
「――――確かに、私は……愛も知らず、夢も知らず…深い闇の底を歩いていた……。でも、そんな私でも一人の人間として接してくれる人がいた!
 …過去は変えられない。 
 
 ――――でも、現在(きょう)と未来(あした)を変えることはできる!!」
 
 その思い。愛を知り、愛を与えようと決意した者の言葉……。
秘めた願いと決意。 万人へ愛を与える事を決意した者の心(スタイル)を穿つことは、例え【カリスマ】であろうともできない!
 
RL(ミハエル):
「――――最後に全てを決めるのは、屁理屈ではない、“これ”だ……!!」
ミハエルは、傍らに立てかけてある鉄柱を手に取りこちらに歩んでくる。
――――それは、鉄柱なんかではない!!
よく見ると、それは一見“ヒートクラッシュ”のように見える。
だが、サイズが尋常じゃない! まるで、ウェーカー用の兵器だ!!