●EDフェイズ
シーン24:【アヤカシ】 共通ED
場所:木更津湖畔の埠頭
 
RL:
では、武器を振るいて闘う力を持つ者は…君達以外に居なくなった。
 
グリフォン:
「終わりだよ。あんた……」
 
RL(ボトム):
「これは……夢か?」
ボトムは、腰が抜けたかのように…膝をついた。
 
グリフォン:
「自首するか、“名誉ある死(honorable-death)”か選べ」
懐から、拳銃を取り出し…目の前に放る。
 
RL(ボトム):
「(ニヤリ)………救いようのない奴は、いるものだな!!」
その拳銃を拾い上げ、トリガーを引く!
 
グリフォン:
だが、乾いたハンマーの金属音が、虚しく響くだけ。
「――――幸運の女神にも見放されたか?」
銃弾は、排莢不良(ジャム)を起こしていた。
《神の御言葉》
 
その言葉、心を貫く魔槍の如く。 狂ったような、笑い声だけが
埠頭に響き渡った。
 次の瞬間、2つの鈍い音が空に木霊した。
 
メタル:
「………当初の契約通り、こいつらのIANUSは俺が頂く。
ここの掃除は、専門の“清掃業者”に依頼済みだ。」
 
クレア:
「この二人の暗殺依頼を請けていたそうですが……清掃業者とは?」
 
メタル:
「お前の知る必要のない世界だ。。
……俺は消えるが“銀の腕”も記念に頂いて構わないか(ニヤリ)?」
 
ハヤト:
「別に…好きにすればいいでしょう」
 
メタル:
ニヤリと嗤い。ミハエルの“銀の腕”を拾い上げ……立ち去る。
 
ハヤト:
「――――確かに『力』無き言葉は無力だ。
 だとしたら、強者こそが…聖賢の象徴なのだろうか」
 
グリフォン:
「ここにいた三者、いづれも強者だった。では、こいつらのやっていたことは、正しかったか?」
 
ハヤト:
「――――正しくない…と信じたいです」
 
グリフォン:
「だったら、あんたにとっては“正しくなかった”だけだ。
………正義は、人の数だけあるんだ。」
 
ハヤト:
「…では、貴方の信じる“正義”とは…なんですか? “W2”」
 
グリフォン:
「因果は等価。天秤と同じって事だ。
物を買うときに金を払う、それと同じだ」
 
クレア:
「それが、『正義(フェイト)』なのですか?」
あえて、ユウキと同じ事を言おう
 
グリフォン:
「勘違いしちゃいけないな。 …【フェイト】は、『公平』なだけだ。
あいつらは、分にすぎた業を積んだ。だから滅んだ……それだけのことだ」
 
 
『力』ばかりが増え続ける世界。
思いを通すためには、他者よりも強い『力』が必要。
それがない者の存在は、儚い。まるで、こぼれ落ちる命の雫のように…
弱者が“愚か”ならば……。強者こそが“聖賢”なのか!?
ならば……欲望という衣を身にまとい、他者の想いを糧とする事が
ニューロエイジの『正義』なのか……。
 媒介識…その真理それすらも……ピースの足りないパズルのようだ
 
 
シーン25:【カゲ】 メタル=エッジのED
場所:某所“砦”
 
完全個室の、VIPルーム。マイケルはウイスキーを片手に、来訪者を待っていた。
 
RL:
では、君はマイケルに指定された場所に依頼の報告に来た。
 
メタル:
「――――標的のIANUSだ。必要なら照会しろ」
机の上に、乾いた血糊にまみれたIANUSを2つ放る。
 
RL(マイケル):
「いえいえ。貴方の仕事具合は、“清掃業者”の方から聞いております。
これが、お約束の報酬です。一人頭、1プラチナム…合計2プラチナムです。」
 
メタル:
「遠慮無くもらう。 ……これはオマケだ」
分捕った、“銀の腕”を卓上に出す。
 
RL(マイケル):
「“銀の腕”を、仕留めたのですか!?」
 
メタル:
「――――偽物だったがな。」
 
RL(マイケル):
「成る程。 きっと、他にも“銀の腕”相当のカブトは沢山いるのでしょうね。
――――カブト業界は、知名度が全てですから。」
 
メタル:
「――――何処も同じだ。」
限りなく純度100%に近いアルコールのライム割りを注文する
 
RL(マイケル):
「謎故に、人は『伝説』に憧れる。
さてさて…本物の“銀の腕”とは、如何なる人物なのでしょうね」
 
メタル:
では、実に愉しそうに嗤う。
「さあな。案外…ただの“ボーイスカウト(お人好し)”なのかもな」
 
それは、漆黒の闇
太陽の光も届かず、一粒の涙の雫さえも消えてしまう。永劫の虚無
狩人達の住まう世界に、感情という言葉はあり得ない。
あるのは、金と刃(武器)とそれを振るう腕だけである。
 人であろうとするならば、死ぬか…逃げるかしかない。
 
 ――――もちろん。それが許されるほどの腕があればの話だが…
 
 
 
シーン26:【アヤカシ】 グリフォンのED
場所:グリフォン万事相談所
 
グリフォン:
では、事務所を改装工事しているということで業者の皆さんがひっきりなしに出入りしているということで一つ
 
RL(ユウキ):
「へー、じっちゃん。仕事再会するんだ」
 
グリフォン:
「“CD”なジジイは楽隠居といきたかったが……どうも、そうは問屋がおろしてくれないようだ」
 
RL(ユウキ):
「俺も酒浸って世を拗ねてるじいさんより、今のじいさんの方がよっぽど好きだよ」
 
グリフォン:
「じいさん、じいさんと云うな。 …儂はな……」
 
RL(ユウキ):
「はいはい。“W2”、“翼在る者”だろ。 耳にタコができるほど聞いたよ」
 
グリフォン:
「……なあ、ユウキ。
俺のような【フェイト】って何のためにいるんだろうな」
 
RL(ユウキ):
「きまってるだろ、正義を守るためさ!」
 
グリフォン:
「そうか。 ……そうだな」
 
全てを知る事が幸福なのか。
――――《真実》を知る賢者故の苦悩も在る。
 
では、知らぬ者は幸福なのか。 
――――知らぬ故に、強者に全てを奪われる。
 
知る事を望むか。敢えて《真実》に目を反らすか…
選ぶのは己自身の意志(スタイル)である。
 ………それでも、《真実》を求めるのが【フェイト】である。
 
 
シーン27:【】 クレアとハヤトのED
場所:BAR:ガスライト
 
クレア(P):
ハヤトさん、呼び出していいですか?
 
ハヤト(P):
まーかまわんのですが
 
 あれから、一週間後……。荒れた店舗を修理改装し、『ガスライト』は
変わらず営業を再開していた。
そして、古風な扉に据え付けられた鈴が軽やかな音と共に客の来訪を告げる。
 
クレア:
「いらっしゃいませ。ハヤトさん」
 
ハヤト:
「その……いつものを」
 
クレア:
「合成品のアイリッシュですか? たまには、ちゃんとしたのを飲んでくださいよ。 ……こう見えても、良い酒揃えて居るんですよ」
 
ハヤト:
「――――持ち合わせ、少ないのです」
 
クレア:
「………」
 
ハヤト:
「その……なんだ……」
 
クレア:
「そんなに、気にしないで下さい。私も気にしないようにしているのですから。
 “愛をしらなかった”私は、貴方から“愛”を学びました。
だから、貴方がこぼれ落ちる命を救うなら…私は砕かれいく心を繋ぐことの出来る者になりたいと思います。」
 
ハヤト:
「そうですね。私は……人の心までは……救えない。
クレア、果たして…“銀の腕”は私に相応しいのでしょうか?」
 
クレア:
「――――私にとっては、貴方は『英雄』ですよ。ハヤトさん。
貴方は、カタナやカブトワリのような【力】をもって無いかも知れません…。でも、自ら血を流し…弱さと向かい合い、戦い続ける姿は…何人もの零れ行く命を救い…その生き方すら変えてきたでないですか!
 ――――弱者が愚者で、強者こそが聖賢だなんて…私はイヤです」
 
ハヤト:
「……そう思うならば……自分で示すしかない。」
 
クレア:
「そうですよ! 今日は、私の奢りです! スキヤキのアイリッシュの封をきっちゃいましょう!」
 
RL:
では、そこにもう一つ鈴の音。上客の山本リョウジが入ってきます。
「よう、“社会の敵”リストに上がった気分はどうだ? お二人さん」
 
ハヤト:
「最悪ですよ。 先輩も、一度経験してみてはどうですか?
追われる側の気分が堪能できますよ(溜息)」
 
クレア:
「私は。 …そんなに悪い気はしませんでしたけど(苦笑)」
 
RL(リョウジ):
「追われるなんてゴメンだな。 おお、そういえばなぁ………」
 
 開けない夜はない。 夜の後には、朝が来る。 媒介識であろうとも、今までは間違いなく繰り返されてきていた。
 確かに、明日も同じとは限らない。
でも、“当たり前”という名の日常が繰り返されるように……
傷つきながらも夜の闇を駆ける者が居る。
 その身に帯びし『剣』。 それが人を斬る為のものとは限らない…。
 
 それが、生き方であることもあるのだ
 
 
太陽はまだ、昇らない/DIANOIA END