シーン18:【カリスマ】 山本リョウジのED
場所:『SSS』本部
 
『SSS』本部内にある事務室、先日研修を終えたばかりの新人(シンマイ)達を相手に、リョウジは馬鹿話に花を咲かせる
 
リョウジ:
「それでなー、偶然俺が散歩していたら…“ニューロ(すごい)”なサイバーサイコが現れてなぁ……腕を8本増設してやがるんだよ。」
 
ハヤト(シンマイ):
「えーマジかよー! ダセー」
 
悠(シンマイ):
「そいつバカ?」
 
リョウジ:
「でなあ、そいつは“弁慶”気取りで、高そうな武器を持ってる奴に喧嘩ふっかけて、
その武器を奪って、増設した腕に持たせて見せびらかしてたんだよ」
 
ハヤト(シンマイ):
「ぜってー、バカだそいつー」
 
リョウジ:
「俺も喧嘩ふっかけられて…ビビッちまったよ」
 
悠(シンマイ):
「で、泣いて詫び居れたんスか?」
 
リョウジ:
「おー。1シルバーぐらいで見逃して貰おうとしたんだけどな、そしたら其奴…調子に乗って、もっとふんだくろうとして…、武器を全部ちらつかせて脅してきたんだよ」
 
RL(エリート警部補シンマイ):
「(小馬鹿したように)山本巡査部長、よく無事でしたねぇ(茶)」
 
リョウジ:
「いやー警部補殿。それが、傑作でして…!
動かした瞬間、IANUSの制御メモリーが足りなかったらしくて…ホワイトアウトしたようなんですよ、ハッハッハ!!」
 
ハヤト(シンマイ):
「メモリー増設してなかったのかよーー! 素人じゃん!!」
 
リョウジ:
「いやー。お前達も気をつけろよ」
 
RL(エリート警部補シンマイ):
「ところで、巡査部長。 土曜日、『ブラックハウンド』の剣道部と交流戦をおこなうのですが、“なぜか”家事都合の部員が多くて頭数が足りないのですよ。
立っているだけでいですから、都合合わせてもらえないですか?」
 
リョウジ:
「俺で、いいんですかぁ?(ニタリと笑う)」
 
RL(エリート警部補シンマイ):
「昔は、“現場”にいたそうじゃないですか?
いくら、“役立たず”な貴方でも。竹刀をもって立つ位はできるでしょ?
 
リョウジ:
「はっはっは、剣道なんて何年ぶりかなぁ〜 防具の付け方覚えてればいいんだけどなぁ」
 
 
 時は流れる。高度情報化が進んだニューロエイジにおいて、5年のサイクルは、時代が一新するも同じもの。更新を怠れば、“2秒”で情報は流れてしまう…
 今の、“シンマイ”達には…“死の猟犬”と呼ばれた男が誰なのか、解りもしないのであった。仮に知っていたとしても、恐れおののくかどうかは解らない。
知りうる者は、心の中でのみ恐怖し、何故…“死の猟犬”が牙を納めたのかその経緯を
各々が勝手に夢想し……かえって恐怖した。
 ――――“猟犬王”山本リョウジ。
その〈名声〉を知るものは、彼が俳優として舞台に上がることを…心より畏れている
 
追伸。この週の土曜日…何が起きたかは、各人の想像にお任せする
 
 
 
 
 
シーン19:【カリスマ】 朝倉悠のED
場所:どこ?
 
夢をみていた。
 
『青い星』が奏でる子守歌を聴きながら………
 
剣を振るうたびに稀薄になっていく自己という『概念』
 
 
僕は……あと何回……剣を振ることが出来るのであろうか……
 
 
――――それでも、僕は“未来”を手にする。
 
 
この、『青い星』を護る為に………
 
 
 
シーン20:【カリスマ】 荒木ハヤトのED
場所:南房総国際空港
 
 
ハヤトは、来栖誠司を見送りに南房総国際空港まで来ていた。
 
ハヤト:
「来栖さん。『澪導』をお返しします」
 
RL(来栖):
「初めに言いませんでしたか? 私は『澪導』を抜ける人を探している…と。
『澪導』が貴方と共に歩むことを選んだ以上、この件は“ある御方”の意向の通り、
貴方の物。 私は、お役ご免ということです。」
 
ハヤト:
「本当に、頂いて宜しいのですか?」
 
RL(来栖):
「それが、“持ち主”の意向ですから。 では、私はこれで……」
 
知的にほほえみ、搭乗口に向かっていく来栖……
 
ハヤト:
「来栖さん、一つ…質問していいでしょうか?」
 
RL(来栖):
「答えられる内容でしたら」
 
ハヤト:
「抜ける者が不在とはいえ…どうして皇家の宝物が…希代の術師である貴方とはいえ…市井に流れるのですか?」
 
RL(来栖):
「“やんごとなきかた”の考え方は、我々とは違うのでしょう」
 
ハヤト:
「もしかして、来栖さん――――貴方の出自は………」
 
その言葉に、来栖は曖昧に微笑んだ。
 
RL(来栖):
「そもそも、私がこの刀をもってN◎VAに来た事自体が、“非公式(アンオフシャル)”なのですよ。全ては、闇の中です。
――――貴方が、時代の奔流に迷い流される“弱者”の為の『澪導』となることを願います。」
 
大空に飛び立つ、ジェット機……展望用テラスからそれを眺めながら……
ハヤトは、【カブト】で在ることを改めて誓った。
 そして、ハヤトと『澪導』は……更なる伝説を築いていくことになる。
 
 
『星が生まれた日』完
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
インターミッション
 
『星の声』が聞こえる……
 
封印されていた“覇者”が目覚め……滅んだ。
 
“覇者”は星の命に還元され…幾ばくかの命となった。
 
だが、更なる“剣素”が活動を始めている。
 
――――“聖王”
 
その力は最弱でありながら、最も“運命”に干渉すると云われる“剣素”。
 
――――即ち。現世の王を名乗る者が、誕生したと云うことだ。
 
そのものが、賢明なる王道を歩むのか、暴君と堕すかはわからない……
 
だがその課程で、払われる命……振るうたびに削られる『星の命』は幾らになるだろう。
 
 
王道という名の大儀を理由に、星の命を我が者とすることは許されない。
 
 
――――――だから……僕は………
 
 
To be Continued to "the saints go marchin' in"