ルーラー (PL)の 呟き  (反省)


 みなさん、お久しぶりです。
久しぶりにリプレイなどを挙げて、疲れがピークに達し体をこわしている金川仁です。

さて、今回のアクトは、如何でしたでしょうか? 久しぶりに、キャスト参加をしてみるとRLをやっているときには、気付かない事に気づいたりします。たまには、キャストもしなければいけないなと思います。
 例えるなら、『読者の視点に立てない作家は、独りよがりの作品しか書けない』と言ったところでしょうか? ……もっとも、私はRL(GM/DMでも可)は“演出家”や“編集者”であって、“作家”になってはいけないと思っているのですが。 閑話休題

 さて、この度は「基本ルール」〜「ナイフエッジ」、まで現存する全てのオフィシャルルールを適用しました。
そこで、思ったこと。『N◎VAは世界観やスタイルで楽しむもの』だなぁと言うことです。
 あくまで、私の私見でありますので、そのことを予めお断りしておきますが、はっきり言ってN◎VAは
システムとしては“バランス”が悪い部類だと思います。 例えば、【スタイル】。仮に戦闘系で比較した場合
まず、圧倒的に攻撃側が有利であります。 次に、同じ戦闘系でも“使える(特技がある)”スタイルと
使えないスタイルの差が歴然としています(カタナとチャクラ。同じ戦闘力だと考える方居られますか?)。
 これは、何を意味するか!? システマチックに“強い”キャストを造ろうとした場合、ほとんど同じスタイル
(或いは〈特技〉)の組み合わせになってしまうと言うことです。
 勿論、N◎VAの魅力の一つに常識はずれのアクション性があることは間違い在りません。
制作者側が満を持して提案した“業物”の存在が、それを如実に語っています。
 

  では、我々は“強さ”を求めるべきであろうか? 私は、是とも非ともいえない。……それは各人の好みであると思う
 

 話をアクトに戻しましょう。今回のアクトは、オフィシャル採用された“荒木ハヤト”の殿堂入記念
であると同時に、N◎VAの可能性を模索する、実験でもありました。
 要は、「N◎VAは経験点差を越えられるか!?」という模索であります。
これは、様々なN◎VAのHPで討論されている事柄ですが、実際の所試してみるのが一番であろうという事で、今回のアクトは
あえて、経験点差をつけたキャストを投入していることにしています。最大は荒木ハヤトの632点、
2位は“メタル・エッジ”の216点、次いでクレア・ミッドウェルの169点、アルテミス・シュラインは
予想外に少ない155点。恐らく、クレア〜アルテミスの辺りがN◎VAフルーカーが普段愛用しているキャストの消費経験点の範囲ではないかと思います。
 そして…水島聡が、戦慄の0経験点(&メイク・アップ)です。よくぞ、あれだけ活躍したものです。
経験点差だけならば、『ナイト・ブレイク』を越えられると自負しますが…『ナイト・ブレイク』にも言えることですが、“極端化”させた(特定の部門に特化した)キャストは、非常に強いです。
たとえば、“メタル・エッジ”は全身義体とアクションランクを増幅させる装備を駆使して、相手の行動を封じる(防御でアクションランクを全て使わせる)電撃戦を、アルテミスは、例え差分値:1でも当たれば、敵が吹き飛ぶ高火力による、一撃必殺に特化しています。
 戦闘に於いては、各々が3倍近くの経験点を持つ【カブト・レクトス】をボコボコにすることが可能な、戦闘力を有しています。
しかし、アクトを見ればわかるように、二人にはそれぞれ大きな弱点があります。

 お見せする機会がありませんでしたが、アルテミスは純粋な装甲においては、ハヤトを上まります。
しかし、一端貫通するとドーピングしすぎで『制御判定』がボロボロでありました。
 “メタル・エッジ”はリサーチでは役に立たないどころか、自力で登場することすらできない。
ホントに戦闘しかできない、殺戮兵器です。
 
 では、一端暴走し出すと逆らうことの出来ない二人が、アクトで主導権を握っていたかというと
そうではありませんでした。この二人の首根っこをつかんでいたのは、クレアですし、リサーチの
中心は水島でした。
 それでは、ハヤトは何をしていたかというと…他のキャストの穴を塞いでいたわけです。

今回のアクトを通して、「N◎VAは経験点の差を超えて冒険ができるか!?」という疑問に対し、
私の出した結論は、“条件付で可能”です。
 条件の一つは、“キャスト同志の見せ場を食い合わせない”事です。
これは、専門家と器用貧乏系が同席したときにも起きる悲劇ですが、同じ判定をさせるなら“巧い”方に
普通は頼むでしょう。 必然的に弱い方はやることが無くなります。 特に、対決が起こりうる状況だと
顕著です。
 例えば、達成値が21オーバー出来る【カタナ】と、【チャクラ】。
或いは、“業物”所有者と“持たざる者”。  この二人が肉体戦で両方とも活躍できるか!?
答えは「不可能」、或いは「難しい」だと思います。RLも、どちらに合わせて敵を組むか悩むでしょう。
まさか、戦闘サイコなゲストと弱いゲストを出して、「実力相応の相手とお互いに一騎打ち」でもさせますか?
そして、お互いに両者が“騎士道精神”さながらに、決闘を行うでしょうか?
 RLの負担を軽減させるためにも、同分野のキャストを複数投入する場合は、実力のレベルは在る程度は
調整するべきでしょう。強弱揃えたゲストを編成するのは、かなり酷なことです(それぞれが、巧くぶつかり合うように演出する方かな?)

 次に、上とも一部被る点がありますが…“強者は強さで圧さない”事です。
判定が成功するようになると、ついついロールプレイを判定でごまかすという“悪い癖”がでやすくなります。
 たとえば、アクト中にアルテミスが水島に情報提供の代償として、報酬点をせびろうとしたシーンがありました。
かなり、無理のある状況ですが…アルテミスは〈交渉〉+〈イノセント〉+〈コネ〉で達成値:21オーバーを出し、水島は、たとえ「A」を出しても抵抗できない。言うことをきかざるを得ない状況になりました。
 無論、こう言うことをするキャスト(PL)は、“そうそう”いないと思いますが…。(特にキャスト間)対立が起こりうるようなアクトの際、経験点差を駆使して“強引に他キャストに言うことをきかせる”というアクションだけはおこなってはならないと思います。特に、そういうアクションに強くなりがちな【マネキン】【カリスマ】【ハイランダー】は注意しなければならないと思います。
 では、強弱の激しいキャストがぶつかり合った場合、どうするべきか? 私は、“強い方が譲るべき”だと思います。
理由は、強い方が選択肢が多いから(或いは選択肢を提示できるだけの余裕があるから)です。
確かに、ルーキーが身の程知らずにヴェテランに噛みついて痛い目に遭うというシーンは映画でよくあります。しかし、なぜ噛みつくのか?
理由は簡単です。弱い方の選択肢は「進む」と「退く」しかないからです。 ルーキーが「結果は、闘う前に判っているだろ? それしか方法がないのか?」と自分より(強そうな)相手に言えると思いますか?
 この台詞が言えるのは、圧倒的に強い側のみです。 強い方は、交渉に持ち込むことだってできるんですよ。

 そして、忘れては行けないのは…低経験点キャストを持つと言うことは“N◎VA歴が浅い”可能性が高いということです。 あなたの横暴が、同志を一人消し去ったり、あるいは屈辱をバネに“強さ一辺倒のキャスト”を生成するような、歪みを産み出す可能性があると言うことです。

 最後に、「高経験点キャスト」。それは、数多の経験を積んだ、“ヴェテラン”である可能性が高いということです。居合いの極意は
“抜かずに納めること”だと言われます。武器をちらつかせて、言うことをきかせるチンピラまがいのことを行うのはヴェテランらしくないと思いませんか? 
 キャストにあわせてPLも成長する、或いは思考を切り替える必要があるのではないでしょうか? 
例えば、最強の“暗殺者”夜叉は、名前だけで敵を震え上がらせます。“銀の守護者”ブロッカーは、居るだけで安心感を、1時間1シルバーという法外な報酬を支払う気持ちにさせます。
 もし、夜叉がギラギラと“オメガRED”を振り回し、廻りを威嚇しながら歩くような奴だったら、〈伝説の住人〉になれたと思いますか? 彼は彼なりの【カゲ】としてのスタイルをストイックに貫くからこそ、ヒトは畏れ、そして讃えるのでしょう。 強いだけなら、ただの“兵器”です。 貴方は、“兵器”を伝説にしますか?
 

 『経験』がみせる余裕と己の生き様。それこそがヴェテランの証だと私は思います。

リプレイ「ナイトブレイク」は、『こんなN◎VAをしろ!』ではなく…『みんなが仲良く出来るのなら、こんな事もできるんだよ』という示唆であると私は思いますし、そう願いたいと思います。
  ……あなたは、活躍できない・キャストの生き様をえがけない、“居るだけ” “神業を使うだけ”のアクトに耐えられますか?   …未熟な私は、そんなアクトに耐えられません。
 
 
呟き2 back