課外授業 −対、カブト対策−

己を知り、敵を知れば、百戦危うからず

―― 『孫子』、ハザード前の戦術書 

■吾を知る事(カブトの防御力について)

▼カブトの防御力は大したことはない

 大仰なタイトルで始まる、「対カブト講座」であるが、これはカブトを『純防御系』と仮定した上で、『純戦闘系』である【カタナ】や【カブトワリ】と
比較しての話である。(究極の戦闘系と対峙する以外は)【カブト】の防御力はピカ1であることは間違いない。
 では、どの辺が大したことがないか検証してみよう。

1.コスト(経験点)がかかる

 まず、【カブト】(これは防御に特化しようとした際全て)は、単純に見積もって倍の経験点がかかる。攻撃側は、
得意とする技能(〈メレー〉〈Fアーム〉〈交渉〉〈アイデンティティ〉等)を1つ上昇させれば使用できるのに対し、【カブト】が
ボディガードらしく働くためには、〈メレー〉〈回避〉の両方を上昇させなければならない。白兵戦をする気のない【カブト】でも、
〈回避〉では依頼主を庇う事は出来ない(唯一の逃げ道として〈※一心同体〉があるが…)。両方を上げる必要がある。
ついでに、精神戦のカバーをしたいのなら、〈交渉〉を上げる必要があるだろう(状況的に〈アイデンティティ〉では難しそうな気がする)。

 次に、達成値の問題である。攻撃側には、それ専用の達成値を上昇させる特技が存在するが、リアクションの
達成値を上昇させる専用特技は【ヒルコ】の〈※生存本能〉しかない。
 〈※猿飛〉・〈隠密〉+〈※影化〉・〈※イカサマ〉・〈交渉〉+〈※誘惑〉/〈※根回し〉/〈※イノセント〉等々で上昇で
きるのではという見方もあるが、使用の有無はRL解釈に左右される可能性が高く、さらに“攻撃側も使用出来る”ため、
差し引きゼロである。攻撃側と同程度の達成値を維持する事は困難であろう。

2.武装による補強には限度がある

経験点が駄目ならば、次に考えられるのは装備による補強である。カブトの魅力は〈※鉄壁〉〈※八重垣〉に現されるように、
武装を縦横無尽に扱いこなすところにある。
 しかし、ここに攻防の強弱が存在する。攻撃側の攻撃型は白兵戦であれば「斬」「刺」、銃撃であれば「叩」が中心となるで
あろう。この世界の防具は、案外刃物に弱かったりする。
“降魔刀”を例にとるならば、「斬+3」に対し、平均的な防具の装甲は「斬+1」である。「刺」に到っては0点ということもままある。
フルセット(上から、コート類・ジャケット・下着・その他)を着込んで、張り合えるかというのが現状である。

 銃弾に対しては、ある程度の防御は期待できるが、基本的に銃撃は「基本攻撃力」と達成値が高くなりがちである。
しかも、アーマー無効特技が白兵戦より容易に手にはいるため、「叩」の装甲の多さに満足してはいけない。
 次に、人が一番忘れていること…『A』の持つ、絶対値:21の脅威である。案外忘れられているが、達成値−1を宣告
するごとに、相手のアーマーを−1することができる裏技が存在する。
極論するならば、Aを出して「アーマー値−100で、達成値:21」と宣告することも不可能ではない。これには、どうしようもない。

 そして、最大の問題…。武装は、護身用であっても“危険物”扱いであるということだ。従って、「携帯判定」を要求される
ことを覚悟しなければならない。

 では、戦闘系は…【カブトワリ】は得物(美しき鉛の死神)がアイデンティティであるため仕方がないとして、殺傷力だけを
考えるならば【カタナ】には得物の有無はほとんど問題ない。いうなれば得物は美学の差程度の効果しか有さない
(業物は流石に除くよ)。【カリスマ】等の論客に到っては、存在自体が凶器である。 ある程度の武装を必要とする【カブト】は装備の面に
おいても不利である。




■彼を知る事(敵ゲストとしてのカブト)

▼仕事を制限すれば……

 皆さんは、敵のクロマク(スタイルのクロマクではなく、ラスボスの意味)が引き連れている、護衛(大概が【カブト】)に手こずった経験は一度くらいは在るであろう。
【カブト】使いの皆さんは一度くらい思うであろう。 『なんで、こいつばかり強いんだ!?』……と
理由は、ただ一つ。“物理防御力(カット・進行)”のみに特化しているからである。
 プロフェッショナルとしての【カブト】を演じようとすれば、多かれ少なかれリサーチ能力(正確にはリサーチ的防御力)を強化せざるを得ない。
(〈知覚〉〈セキュリティ〉〈心理〉が主であろう。それに〈社会〉〈コネ〉が加わる)
 それに対して、一話限りの使い捨て(←すごく失礼)カブトは、戦闘系+〈知覚〉〈アイデンティティ〉〈アスレチック〉があれば事足りる。実際に、オフィシャルシナリヲのるゲストのデーターを調べてみると、リサーチ技能を切り捨てている事が殆どである(これは、物理攻撃系にも云える)。【カブト】と侮ってキャストと同じように対応すれば大変なことになる。

▼【カブト】の潰し方

余り、書きたい内容ではないのだが(他のサイトでもやっていることであるし、悲しくなる内容ではあるが)、如何にして【カブト】を沈黙させるか。それがクライマックスのカギとなることが多い(主として、攻撃系神業の無駄遣いを防ぐため)。
 別の言い方をすれば、キャスト側も自己の弱さの研究になるであろう。
大きく分けて、【カブト】の潰し方は、種類在る。

  1. 依頼主を狙う
  2. カブト本人を狙う
  3. 【精神戦】/【外界】で攻撃する
  4. 《買収》を用いる

1.依頼主を狙う
これは、最もベーシックな方法である。〈※カバーリング〉を主力とするカブトや、片手間カブト(他者に対する専門防御特技を有さないカブト)に対して有効である。
特に、〈※カバーリング〉は〈※最後の砦〉を組み合わせない限り、装甲は0点となる。要は、防御能力の低い存在(依頼主)を庇わせることにより、徐々にカブトを痛めつけるのである。
ここで「腕部損傷」「眼球損傷」等のペナルティを与える事が出来れば大収穫である。

2.カブト本人を狙う
あまり使う機会はないかもしれないが、〈※自動防御〉や〈※一心同体〉を用いるカブト、特に「受」値の高いカブトには有効な方法です。まず第一に、〈※自動防御〉〈※一心同体〉はカブト自身がリアクションを行うので、誰を狙おうと大差がない。 と言うことは、直接【カブト】を狙った方が効果的である。
 また、《難攻不落》を使わせない(正確には、使わせにくい)という牽制にも成る。

3.【精神戦】/【外界】で攻撃する 

 実は、【精神戦】はカードさえ用意すれば、プロフェッショナルでなくても効果的な成果を期待できる。特に【カブト】を含めて戦闘系は【外界】の制御値が低めである。例え、〈アイデンティティ〉で抵抗されようとも、アクションを浪費させることが出来る。 やって損はないはずだ。

4.《買収》を用いる

案外、これは有効かもしれないなと思う作戦。《買収》して命令で「手を引け」という。 効果的なんですけど、融通の利くホームセッションオンリィかもしれません。
オフィシャルシナリヲは、“このような”姑息な手が使えないように、クライマックスまで部下の存在が不明だったりすることが多いようです。


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