●EDシーン
シーン:23 彼方よりの誘い
場所:『月筺』内
− これより、悪魔の会談が始まります。白抜きにしてあるので
“現実”を見たくない人はドラックしないでください。そうすれば、哀しい物語がよめます −
GM:
屋上には、動かなくなったさやかだけが残された
比奈(P):
では、《小さな奇跡》で……
GM:
まて、そんな安易な救済を毎度毎度連発していいのか?
比奈(P):
そういうゲームじゃないの(笑)
真名(P):
まあ、まて……
大地(P):
お、金川さんが“デンパ”受信したようだぞ(問題発言)
真名(P):
次回は、最終回だ。 ……よって、救われない方が“もえる”
大地(P):
神業じゃないから、使う必要はないってことですか
真名(P):
違う!
壊れた魂を、完全に繕うことは、神とて不可能なのだ!!!
我々に与えられたのは。“完全”な奇跡でない! “小さな”奇跡だ!!
比奈(P):
さすが、古くは『雫』『痕』から鬱ゲーをこよなく愛する金川さんですね!!
金川(P):
――――すごく酷い云われようだ。
私は、シリアスな場面でのデウス・エクス・マキナ……
……即ち“とってつけた救済”が大嫌いなだけだ。
比奈(P):
では、幕をひきましょうか……
− 悪魔の会議ここまで −
比奈:
「――――どうしてこんな事に……。」
大地:
「彼女が何をしたというんだよ!」
コンクリートの床を殴りつける
比奈:
「神様、もしいるのなら……、奇跡を起こしてください!」
そして、その言葉によって奇跡は起きた!
だけど…定まった運命の覆すには《小さな奇跡》で………
――――否、それは…残酷な奇跡だった。
GM:
尽きた筈の…命の鼓動が…ゆっくりと蘇りだした……。
虚ろながらも、閉じられた瞳が開き……
「………ぱい」
大地:
「え?」
GM:
「………ぱい、スキです……」
焦点の合わない…澄んだ瞳で……虚空に向かって手を伸ばしている
大地:
「――――さやか………ちゃん………」
GM:
「………ぱい、スキです……」
たった一つ、その言葉を…壊れたオルゴールのように繰り返している……
真名:
「――――」
比奈:
「さやかちゃん!?」
GM:
「………ぱい、スキです……」
大地:
「高円寺! 救う手だては無いのか!?」
真名:
「――――砕け散った魂を繕うことなんて…出来ない。
生きていたこと自体が…《奇跡》。 でも………これは……狂った《奇跡》……」
比奈:
「いやああああああああああああああああああ!!」
無償の奇跡は存在しない。
無限の奇跡も存在しない。
仮に起きたとしても…奇跡の数は1つだけ……
起きないから《奇跡》という。
では、安易に乱舞する《奇跡》があったとしたら………
それはきっと……不平等な《奇蹟》だろう……。
それは……生きようと、より善くあろうとした人の足掻きを無視する行為なのだから