●クライマックスシーン

 
シーン:09  The end of our time -窮みの剣閃-
場所:『トリニティ』研究所
 
ウィィィィィィン
 
研究所にサイレンが鳴り響く……
その音共に、軍隊と見間違うような武装集団が、ライフルを片手に大地と比奈の下に
殺到してくる!!
 
GM:
ここは、演出戦闘と云うことで。 というか、普通のアサルトライフルじゃ『月衣』抜けないし
 
大地:
では、普通の日本刀で峰打ちをします。
イノセントには、残像にしか捉えられないような速度で、集団に突撃し……
すり抜けざまで、数人を叩き倒す!
 
真名(企業兵隊):
「クッ、侵入者は“魔法使い(ウイザード)”かっ!?」
 
GM(企業兵隊分隊長):
「対『月衣』用撤甲弾はないのか!?」
 
真名(企業兵隊副隊長):
「当作戦に備え、支給される予定でしたが…補給隊との連絡が途絶えてます!!」
 
GM(企業兵隊分隊長):
「――――作戦を変更する。 全員、散開! 足止めに徹せよ!
相手の戦闘力は常識外だが…肉体的なスタミナは人間と大差ない!!
持久戦で消耗させろ!」
 
真名(企業兵隊副隊長):
「サー! イエス、サー!!」
 
大地:
その返事の瞬間、副隊長の鳩尾に束を突き立てる!
 
真名(企業兵隊副隊長):
「おおおお!!」
 何が起きたかも解らず…血を吹いて倒れる
 
大地:
「怪我をしたくなければ、其処をどけぇぇぇ!!」
 
数瞬……
数人の兵隊が地面に転がる
 
GM(企業兵隊分隊長):
「何故だ……我々全員は……、自衛隊のレンジャー部隊と同等の訓練をこなした、軍隊としても機能できる能力があるはずだ!!
 ――――それが、子供一人に…… “非常識”すぎる!!!
その言葉と共に……ドサリと倒れる
 
大地:
「ごめんなさい。 でも、どうしても…助けたい人がいるんだ」
 
GM:
そして地下に向かう、エレベーターに向かうのだね……
 
比奈:
「いくしかないいよね」
 
 
 
 
シーン:10  It's a Small-World -僕たちの世界-
場所:『トリニティ』研究所地下
 
ゴウンゴウン……
車両すら搬送できそうな巨大なエレベータ………
地下の最奥に向かう二人は、僅かな暇を持て廻していた。
 
GM:
 先ほど渡し損なったのですが、“先輩”からピグマリオンと“ハイパーMPヒーリング”プログラムを1つ受け取っています。
 
大地:
了解、これは比奈だよな
「この先が、最後かな」
荒い息を整えようとする。 疲労が激しい
 
比奈:
「大地君。 ……私、護って貰ってばっかりで足手まといだよね」
 
大地:
いや、アンタが一番強いだろ…という言葉はおいといて
「比奈は、足手まといなんかじゃないさ」
 
比奈:
「――――私、とても怖いよ」
 
大地:
「俺だって、怖いさ」
 
比奈:
後ろから抱きつく
「――――お願い。今だけでいい、こうしていると勇気が出るから……」
 
ゴゥン、ゴゥン
無情な機械音のみが支配する世界。
そして……運命の扉が開いた。
 
シーン:11  Reason -理-
場所:『トリニティ』研究所地下
 
GM:
そこは、まさに……研究所……いや……映画にでも出てきそうな謎の空間であった。
最新鋭の電気機器で埋め尽くされた、広く無機質な空間……
だが、何故か……大聖堂(カテドラル)を彷彿とさせた。
 
ウィィィィィン……
天文台を彷彿とさせる高くドーム型の天井
壁には、謎の配線やパネルが埋め込まれ……奥には……大型望遠鏡のような巨大な機械があった。
 その前に、佇む白衣の男……
 
GM:
そして……男の背後にある巨大な機械にはカプセルがあり…その中にローブのような白衣を着た真名が収まっている。
 
大地:
「お前がここの責任者かッ!? ……高円寺を帰せ!!!」
『常緑』は鞘の内、だがゼロコンマ以下で抜き放てる……
 
GM(以後、真名パパ):
「――――ようこそ、『勇者』様。」
白衣の男は慇懃に会釈しながら、カプセル……真名の前に立っている。
「………しかし、『返せ』と云うのは侵害ですな。」
ギラリと、メガネが光る
 
GM(真名パパ):
「――――真名は、私の娘だ」
 
比奈:
「なんで、親が…実の娘にこんなことするのですかっ!!」
 
GM(真名パパ):
「――――『世界』の為だよ」
 
 
大聖堂にある、巨大な祭壇にも見える巨大な機械。マリア像のごとく鎮座する真名
それは、不気味でありながらも……神々しく………
 その前に立つ白衣の男は、神聖なる祭祀を取り仕切る、司祭のようにも見えた。
 
 
大地:
「『世界』だと!?」
 
GM(真名パパ):
「――――『世界』は狙われている。 …君たちも、娘から聞いたであろう?」
 
大地:
「……ああ。 その為に、高円寺が闘っていることもな」
 
GM(真名パパ):
「“侵魔”は、人の魂(プラーナ)を喰らう。喰らわねば生きていけない…… 。
我々が物を食すのと同義、この段階で…我々と“侵魔”との交渉は不可能になっているわけだ。正義や道理の存在しない……食うか食われるかの、『生存競争』となっているわけだ」
 
大地:
「だから、俺は闘うことに決めたんだ」
 
GM(真名パパ):
「素晴らしい、実に模範的な『勇者』だ。君の無償の愛が、一人の命を救う……
だが、君は…全ての人を救い得れるのかい?」
 
大地:
「何!?」
 
GM(真名パパ):
「まさか、『紅い月』が天に昇るとき…君の目の前にのみ“侵魔”が現れるとでも思っているのか?
 ………世界各地、我々の与り知らぬところでも“侵魔”が現れ、闘いが行われ、この地とは比較にならない規模の犠牲者が出ているのだ。」
 
比奈:
「そんな………」
 
GM(真名パパ):
「――――そして、“侵魔”の長…“魔王”が侵攻してきた時に、止めれる者はおそらくこの世界には居ない」
 
大地:
「………」
 
GM(真名パパ):
「だからこそ、この“Deus-Enlil(デウス・エンリル)”で世界を覆う『結界』を強化し、何人とも立ち入れない『聖域』を造り上げる…それこそがProject"Sanctuary"なのだ!!
――――そして、真名は“Deus-Enlil”の核になる為に産まれたのだ!」
 
 
――――それは、産まれ出でたときより与えられた役割。
高円寺真名と呼ばれる存在の、存在意義(ダーザイン)
 
 
 
 
シーン:12  Mana Kouennzi -高円寺真名-
場所:『トリニティ』研究所地下
 
比奈:
「何のために!? 親だからって、子供を自由に出来るって事はないよ!!」
 
GM(真名パパ):
それには、慈愛をもった微笑みで答え。
「――――少し、話をしよう。 君たちは、『天使』という存在を知ってるかね?」
 
大地:
「話しをはぐらかすな!」
 
GM(真名パパ):
「真名に関わる重大な話だよ。 ……私も、知り合いの“魔法使い”から聞いた話でしかないのだが、まるで階層や地層のように世界は複数存在するのだ。
……我々の絶対的“侵魔”も、その世界の1つのからやって来るらしい。
 そして、世界の一つに『天使』と呼ばれる存在が住む世界があるという。」
 
比奈:
「天使の世界!?」
 
GM(真名パパ):
「『天使』とは無限の力を他者に供与する、いわば生きた“永久機関”ともいえる。
そして、最も効率よくエネルギーを供給させる方法が、人の器を解き…“天使の種”とも“核”とも呼ばれる…純粋な[プラーナ]だけの存在にする方法なのだ。」
 
大地:
「それを、高円寺に行う気か!?」
 
GM(真名パパ):
「――――真名だけじゃないさ…」
そういいながら、“Deus-Enlil”に組み込まれた…真名の“箒(エンジェル・シード)”を愛おしそうに見つめながら、片手で“箒”を指す。
「紹介が遅れたな。 あそこにいるのが、オリジナル天使……私の妻だよ」
 
比奈:
「………こ、高円寺さんはこのことを知って………!?」
 
GM(真名パパ):
「“今”。知ったさ……だが、今となっては些細なことだ。
子を産み力の殆どを失った彼女が世界を護るには、こうするしかなかったのだろう。
――――だとするならば、責任は私にあるともいえるな」
 
大地:
「お前は、奥さんや娘を愛していないのか!!!」
 
GM(真名パパ):
「――――私とて、愛しているさ。 ……だが、私の愛と『世界』を天秤にかけることは出来得ぬのだよ!
 ――――“魔法使い”の一人としてな」
 
大地:
「何!?」
 
比奈:
「貴方も“魔法使い”なの!? ……じゃあなぜ……」
 
GM(真名パパ):
「話を総括しようか。 真名は、『天使』である妻と私の間に産まれた…『天使』。
……そして私は、世界を守る干城たる“魔法使い”として……、妻と娘…2人の『天使』を生贄に、『世界』を守る!!」
 
大地:
「ふざけるな!! 犠牲の上に成り立つ平和なんて、認めないぞ!!
 親だからって高円寺の意志を無視できるのかっ!?」
 
GM(真名パパ):
「妻も、娘も……同意の上のことだよ」
 
大地:
「高円寺……君は……それでいいのか……!?」
 
GM:
では、真名は今からゲームに参加していいです
 
真名(P):
……ようやくですか……。
 
 
大地の言葉に……カプセルの中に鎮座する真名がうっすらと瞳を開けた……
 
 
 
 
シーン:13  Evangelion -福音を呼ぶ資格-
場所:『トリニティ』研究所地下
 
真名(P):
カプセルから、声を出すことが出来るのですか?
 
GM:
声は無理でしょうけど……意志が、全員の脳に直接響くと格好いいので、そんな感じで
 
真名:
じゃあ、エコーがかった声が、直接意識に響く方向で
「――――大地」
 
大地:
「こんな、馬鹿なことをやめて…俺たちと一緒に帰ろう!」
 
真名:
「…馬鹿な事じゃない。 
大地がもう闘わなくてもいいように、私が『世界』を救う。
――――私は、そのために産まれてきたのだから」
 
GM(真名パパ):
「わかったか? これは、娘の意志なのだ。
 ……君への愛故に、君を拒むのだ」
 
真名(P):
そういうことです、愛故に死にます。
イヤなら[説得]してください。 でも、[説得]すると真名ルート確定です(何)
 
比奈(P):
じゃあ、血の涙を流しながらカプセル毎……《ジャッジメントレイ》で……(爽)
 
真名(P):
マジで、即死するのですが(泣)
 
GM:
いや、ルート確定は強制しませんが……
 
大地(P):
ナンテコッタ。ラスボスは……目の前にいるPLかよ!!
 
GM:
いや、そういうわけじゃありませんが……
 
真名:
「――私は、大地が傷つくのを見たくない。
……だから……大地のために『世界』を救う」
 
大地:
「俺は、そんなの…うれしくない!!」
 
真名:
「――大地は優しすぎる。 ………今、『世界』は狙われている。大地や比奈でも世界中全てを守りきることは出来ない」
 
大地:
「――――でも……」
 
真名:
「だから、“侵魔”が時空を超えて侵入できないようにするシステムを造るしかない。
――――私は、それができる」
 
大地:
「高円寺は……それでいいのか?」
 
真名:
「…………」
無言で、瞳を閉じようとする
 
大地:
「俺は………、いやだっ!!」
 
真名:
「!!」
その声に、驚いて瞳を開ける
 
大地:
「比奈や高円寺の居ない世界なんて…イヤだ!」
 
比奈(P):
さりげなく、ハーレムルート確定!?
 
GM:
はーい、“ムービーシーン”に水をささなーい
 
 
大地:
「俺、強くなるよ…世界を救える『勇者』になる!
 だから……こんなのやめよう!」
“Deus-Enlil”に歩み寄っていく
 
真名:
「――――わ、私は……」
 
大地:
「高円寺は、俺たちと一緒は…嫌か?」
 
真名:
「――――私は……大地と一緒にいたい……!!」
カプセルの中から手を伸ばそうとする
 
GM:
では、その瞬間………カプセルの蓋が開き、真名が崩れ落ちるように出てくる
 
大地:
なにー! じゃあ、真名を受け止める
 
真名:
というか、カプセルは高い位置だったのか!?
ここは、ひとつ“お姫様抱っこ”で
 
 
 “Deus-Enlil”から落ちてくる真名を、大地は抱き留める。
その予定外の光景を…父は愕然と見ていた。
 
 
GM(真名パパ):
「真名……お前は……『世界』を天秤にかける気か!?」
 
大地:
「――――価値のない命なんて存在しない。 
誰かの犠牲の上で成り立つ平和なんて、俺は欲しくない。」
 
真名:
お姫様抱っこも捨て難いが、格好がつかないのでおろして貰おう
「……大地なら、きっと『世界』を救えると思う」
 
GM(真名パパ):
「何故だ! お前は……“魔法使い”としての責務を……」
埒があかないと云うことに気付いたパパは、“Deus-Enlil”に向かって叫ぶ!
「お前もそう思うだろ!!」
 
真名:
「――――『世界』を守りたいと思う。 
 ……でも、私は大地と一緒にいたい!!」
 
GM:
その言葉の瞬間、“Deus-Enlil”が輝きだし、この地下室にパイプオルガンの和音が響き渡った…ような気がする
輝きだした“Deus-Enlil”から光が放たれ、真名の両手にその光が集う。
 …その光は長く伸びて……“箒(エンジェルシード)”になった!
 
真名:
「――――母さん…ずっと側にいてくれたんだね……」
“箒”を抱きしめる
 
GM:
では、その時……真名の背中から光の羽が生え出す……それこそ、覚醒した『天使』の
証!
 
真名:
何ーーーーっ そこまでいくの!?
 
比奈(P):
は、“羽根つき”だと!?
 
大地(P):
こ、こう…『紅巫女』のように、“後付設定”じゃないのですか!?
 
真名(P):
い、いや……実は………今回……この裏設定を聞いて…クラスが『使徒』なんです
 
大地・比奈(P):
何ーーーーっ!?
 
GM:
どーせ、火力は武器に依存だし。 設定を優先して貰いました。
では、最終戦闘に行きましょう。
愕然としながら、パパは……一言
「――――お前まで……私から離れていくのかっ!?」
 
 
 幾億の命を守るために、幾ばくかの命を犠牲にすることは許されることなのか……
この青い星が選び出した『勇者』の名の下に、その是非を問う闘いの火ぶたが斬って落とされた。