●クライマックスフェイズ

　

シーン09：【ニューロ】　

場所：akiba某大型OA店

　

大型店舗の店頭では、週末限定のガレージセールが行われていた

餌に群がる池の鯉の如く……人混みが特売品を漁っていた。

　

“GS”：

「おお、この中にならお得なボードがあるかもしれません」

　

アリス(P)：

「私は、MATRIXのミレ○アムシリーズが……」

　

“GS”：

「――――あなたも、マイナー系がお好きですね」

　

RL：

この人混みなんとかしないと、物が手に入らないよ

《電脳神》相当の障害です

　

“GS”：

「ふむ。困りましたね」

そういいながら、懐からポケットロンを取り出す。

　

「――――“01”か？　私だ。　

今から、“Akiba”で時限セールで“TWウインドウズ”の60%OFFセールを始めなさい」

　

RL(01)：

「ええーーーっ！　いくら、３倍掛けの定価で販売しているとはいえ！

採算とれませんよっ！（ごほごほ）」

　

“GS”：

「ああ、それでしたら安心してください。　まだ、セキュリティホールのストックが残っていたでしょう？　

あれを克服する“新バージョン”を販売すれば、簡単に取り返せますよ（爽）」

　

RL(01)：

「そんな、武家の商法繰り返してたら…絶対、客が離れますよー」

　

“GS”：

「――――離れられないように、“他社”の足を引っ張るのがお前らの仕事でしょう。

……つべこべ言わず始めろ」

　

《タイムリー！》

　

　突然、Akibaのど真ん中で、『テラウェア』の採算度外視の時限セールが勃発した！

“暴利を貪る”ことで有名な会社の激安セールに…その場にいる人々は、店舗に殺到し出す！！

　当然、目の前のパーツ屋はガラガラになるわけだ！

　

“GS”：

「さあ、いきましょう。」

　

アリス：

「…………」

　

“GS”：

「ちなみに、私のお薦めは…“ブー○ゥー”です。」

　

アリス：

「――――もっと、コアじゃない！！」

　

　

　

　

シーン10：【マネキン】　

場所：中央通り(歩行者天国)

　

目的のパーツを手に入れたアリスと“GS”は、大通りの歩行者天国を歩き

帰路につこうとしていた。

　――――だが、そのまま帰れるほど“Akiba”は生やさしい世界ではなかった

　

RL：

気がつくと、歩行者天国を往来している人々の視線が、アリスに向けられているような気がする。

　

アリス：

「な、何？」

　

RL(男)：

「アリスたんだ……」

　

「萌えー」

　

「(*´д｀*)ﾊｧﾊｧ」

　

「(；´Д｀)ﾊｧﾊｧ･･･」

　

「(:.;ﾟ;Д;ﾟ;.:)ﾊｧﾊｧ!!」

《神の御言葉》

衆人からの卑猥な視線、それは例えプログラムの羅列で構成される存在であっても…存在概念に甚大なダメージを受ける。彼らが、脳内で何を行っているのか…想像するだに

おぞましい！！

　

アリス：

「いやあああああああああああっ！！！」

《守護神》

　

その瞬間、アリスを護るかのように……ストリームにサージが趨る！

“ウエット”でないクリーチャー達は、思考を邪魔され…現実に還った！

　

“GS”：

「いやークリーチャーが、団体さんで起こしのようですねぇ〜」

のほほんと、自販機でコーヒーを買う

　

アリス：

「少しは、はたらけっ！」

《プリーズ！》で《タイムリー！》を強要！

　

“GS”：

「ふふふ…私のやり方は、少々荒っぽいですよ（ニヤリ）」

『ドリアン・ＢＯＯＫＳ』と書かれた紙袋から、拡声器を２つとりだし１つをアリスに渡す

「では、一緒に…このメモの通りに叫んでください」

　

アリス(P)：

（話を聞いて）マジですか！？

　

“GS”：

「せーーーのーーっ」

　

アリス・“GS”：

「ナンバーズの、皆さーーーーーん！！」

　

次の瞬間……数十台の“轟天”が、歩行者天国に突入してきた！

後部の貨物車両からは、年二回『有明』で行われる仮装大会参加者のような異様な集団が、30cm以上の長物を携えて飛び出してきた！！

　

“GS”：

「ヤッチマイナ！！（妙にヒスカリ語っぽく）」

　

全く、統制のとれていない集団が、暴れ始めた。
どうみても“心の病院”に連れて行かれそうな○チガイはＳＭＧを乱射し、どうみても座頭にしか見えない男が日本刀を振り回し、轟天の補助席に乗っている、美人のお姉さんは泣きながら、報告書を作成し…
“ＧＳ”そっくりな男は、青い顔をしながら胃薬を飲んでいた。

　混沌の温床である“Akiba”に、彼らを投入した事は…火のガソリンを注ぐようなものであった……

　

RL：

ルール的には、壊滅してるんだけどね（茶）

　

　

アリス：

「もーーーっ！！　こんな街いやだっ！！！！！

マトモな街にしてやるっ！！！」

《電脳神》！

　

　その瞬間、ウェブのストリームが沈黙した。

アリスに対し…畏怖し…或いは服従の意を示したのだ

　

「ＢＬＡＫＫ＝Ｂ◎Ｘ……起動！　ＣＰＵを１５０％までオーバークロック！」

　

「――――三界の理を穿ち……。

　

過ちを糺し…より良き明日を言祝ぐ詩を歌わん」

　

　

「………みんなが“希望”する…未来へっ！」

　

αに与えられるはずであった、“BLAKK=B◎X”…正式名称“パンドラの筺”を起動する。それは、『物質』『電脳』『魂』の三界の壁を越える力……

　

　

　　　[　NEON=GENESIS　]

　

　

　――それは、空間(シーン)そのものを、0〜Fに変換(コンバート)し、そこに在る意志が望む……即ち、多くの人が“希望”する世界へとプログラムを書き換え……、再度物質に再変換するという世界の修正プログラムであった。