トーキョーN◎VAの路地裏、そこでは生き残りを賭けた生存競争が行われていた。
ある者は栄誉のため、ある者は金のため、……そしてある者は生き残るため。
 
「まったく、どうしてこんな“善良な市民”であるボクが、警察の世話にならなきゃいけないんだ…まったく、まったく………」
ルクセイド=タカナシはそう言いながら、路地裏を走っている。吉本とかいう『SSS』の【イヌ】には
ずいぶんと世話になった。 近い内に、しっかりとお礼をしておかないと此方(アウト・ロゥ)の常識が疑われるであろう。 
義理の堅さは、ストリートでのシンボルである。
 盛大な歓待を受けたが、そのなかで倉敷は私的に『SSS』と癒着しているという事実をこの目で見てきた。
この情報を敵対勢力に売りつければ、小遣いにはなるであろう。
「まったく、ここがストリートでよかったよ。」
そういいながら、流れるような手つきで路地に駐車してある、ステッペンウルフの配線をエンジンに直結させ、
エンジンをかける。オイルは半分くらいは入っているようだ。
「誰のか知らないけど、“愛と真実”を伝えるためだ! 勘弁してくれよ!!」
風のように走り去っていくタカナシの背後に『SSS』捜査班が、臍をかんでいた。
 
 
TOKYO NOVA-D to Play.By.E-mail
[第4回:No_Moon-Others.青い鳥のいきつく先]
 
 
*    *    *
 
 
「追われている……っていうの!?」
路地裏を疾駆しながら、モーリガンは誰彼ともなく叫んだ。
背後からは、【トーキー】らしき男が悠然と追いかけてくる。ただの【トーキー】ならば
大した害はないが、この男の動きはストリート慣れしている。 …恐らく、自分よりも!
「追いかけっこは終わりかな? 子猫ちゃん。
 …とりあえず、そのアタッシュケースを返してもらおうかな」
【トーキー】の手には、黒光りする拳銃が握られている。
「なんなの貴方!? 『TMS』の手の者?」
男は、気障っぽく指を振った。
「俺は、神宮桃次。……真実を知りたくなった者さ! 
おーっと動くなよ。俺の“ハニー”はちょっとの愛撫で、イッちゃうからな。」
言動は軽薄だが、眼光は決して軽くはない。
「じゃ、半分こっていうのは……どう?」
魅力的かつ予想外な〈誘惑〉に、神宮は驚いた。その隙をついてモーリガンは、人外の高さまで
跳躍した。
「ッ! …なめやがって!」
神宮の“駆風”が火を噴く! モーリガンは脇腹を朱に染めながらも、ビルの上まで駆け上がった。
「逃げきったか。 …またな、子猫ちゃん☆」
懐に銃を収めながら、この女が誰につくのか…それだけを考えていた。
 
 
 
 
 
■特別アクション
04x2-1:とにかく、逃げる!
04x2-2:青い鳥を狩る
※特別アクションは、下記の送信者のみ使用できます。
 このアクションは、それ以外の全てを放棄する代わりに、判定が有利になります
 
 
■送信者 一覧
・ルクセイド=タカナシ
・モーリガン=ル=フェ
・神宮桃次
 

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