シーン:20

【マネキン】

 “愛”の条件

   I wish you completed your-Belief 

 

RL

では、“平和の使者”の来迎により、戦闘が中断されました。

クレアはアイコンですか?

クレア

この様な時こそ、生身で現れないと…

「こんな、凄惨な闘いをして……、いいと思っているのですか!?」

メタル

「困った、クライアントだ。 依頼は、“AI”の排除だろ?

……あのまま、眠ってもらって居た方が好都合だった。」

クレア

「でも、関係ない人達まで巻き込むのは感心しません」

メタル

「……あんたも、長生きできない人種だな」

アル

「そうだよ。悪い奴をやっつけなきゃ、N◎VAが大変なことになるんでしょ?」

クレア

「……この度は手を引いて下さい。 クライアントとしての命令です」

メタル

では、全身の関節部から蒸気を放出して、戦闘フォームを解除します。

「“慈愛に満ちた”クライアントは面倒くさくて困る。 …まあ、命令だからな」

アル

「むう。」

メタル

「まあいい。 とにかく、俺は死ぬほど眠い…。 これで、帰らせて貰う」

※前のシーンに起動した、鬼のようなサイバーウェアの代償です。

いったん起動すると、3シーンほど役立たずになりますので……

 

ハヤト

ちなみに、紅葉嬢は?

RL

気絶しています。

ハヤト

好都合ですね。

クレア

「荒木さん、ご無沙汰しています。 ガスライトのクレア・ミットヴィルです。」

ハヤト

「職業柄、予測できない状況には慣れているつもりでしたが、

貴方が『ブラックビズ』の仕切をしているとは、夢にも思いませんでしたよ」

クレア

「先日は、私を助けてくれたそうで…ありがとうございます」

ハヤト

「貴方が、【クロマク】だとは知りませんでしたから」

クレア

「だったら、私を放置しましたか?」

ハヤト

「さあ? 私だって聖人君子ではありませんからね」

クレア

「貴方は、そんな人ではないでしょう? “儀”に拘る貴方ならば。

どうか、力を貸して貰えませんか?」

ハヤト

「……今は、仕事中です。」

クレア

「では、彼女を安全な場所に送り届けた後に、お時間をいただけますか?」

ハヤト

「いいでしょう」


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