カブト基礎論考

 

N◎VAで信用できるのは”金”だけじゃない! もっと、”大切なもの”があるはずだ!!」
「……甘いな。 N◎VAにおいて、”金”で買えないモノは何もないのだよ」
―― ある”無能警官”と、あるクロマクとの対話


1.【カブト】とは何か!?

では、【カブト】とは一体なんなのだろうか? ルールブックの指針としては『用心棒』『ボディ・ガード』『兵士』『軍人』と書かれている。 ペルソナ(◎)や、キー(●)として【カブト】を選ぶ場合は、生き方(スタイル)を決める必要があると思う。 大義としての【カブト】は『報酬を見返りに、仕事を行う者』である。 したがって、ボディ・ガードを必ずしなければいけないないわけではない。 ただ、一番演じやすく、ニューロデッキに最も忠実なスタイルなだけだ。

 

2.【カブト】の能力

 能書きはこの辺にして、【カブト】の能力の分析をしたいと思う。N◎VAはスタイルを3枚選ぶため、確実な能力をスタイル一枚ではじき出すことは出来ないが、大体の指針は見える

スート 能力値 制御値
理性(スペード)
感情(クラブ)
生命(ハート)
外界(ダイヤ)

 このように、高いのは理性と生命で、感情と外界は低めに設定されている。スタイルの組み方によっては「X」ランクとはいかなくても「3」前後というのがよくある。戦闘系全般に言えるのが、『感情』の能力値が低く、制御値が高い(つまり、感情に左右されにくい)、『外界』の制御値が低い(金に動かされやすい)と言う点が挙げられる。
 一応、【カブト】も例に漏れず前線系と思われる。 平均的な目安としては『感情』は能力値が3〜4前後、制御値が11〜12前後となり、『外界』の制御値は9〜10前後になりやすい(これは、かなり低め)。
 《買収》される【カブト】というのも、情けないので個人的には、キャストを成長させ継続的に使うつもりが有るのならば、『外界』の能力値/制御値いずれも伸ばすことをお奨めする。 できれば制御値は11は欲しいところである。(制御値が上がると、攻撃が当たりにくくなり、シンプルに強くなります。また、「戦闘系は、【外界】で狙え!」という常識を逆手に採ることもできます!)

 

3.【カブト】の補完

 2.【カブト】の能力の頁で述べましたが、『トーキョーN◎VA』のキャストは3つのスタイルによって形成されています。このページを見ている以上、最低一枚は【カブト】を選ぶでしょう? (何? 対カブト用の研究のために此処に来た!? まぁ、気にしないで、先を読んでくれ……)
 では、残り二枚をどうするか!? 残り二枚の選択次第で、同じ【カブト】でも全く別の能力を持つ者となってしまいます。 そして、(ベーシックルールに従うのならば)【カブト】だけでは、”防御”の能力しか持つことは出来ません。造るのが、ゲスト(盾用のNPCとして現れるだけ)ならともかく、キャストとしてアクトに参加するのであれば、どこぞの”無能警官”のように【カブト】のみでは、誰か(或いは、自分)の身を守るのみです。
 では、どのような指針で残り2つを選ぶべきでしょうか……。 以下、幾つかの【カブト】の方向性を乗せてみました。

3−1.【カブト】の役割

 まず、指針を決める前に貴方に一つ質問を致します……

貴方は、その手にある『盾』を何のために使いますか?
  1. 自らの命を守るため
  2. 他者の命を守るため

 

3−2−1.自己防衛への道

 自分の身を守るのは、以外と簡単です。詳しくは『技術指導』の方を読んでいただければ良いのですが、単純に
”防御力のある”戦闘系を目指すのならば、【カブト】を1枚とり、特殊技能の内より〈鉄壁〉〈見切り〉〈反射防御〉〈不動〉あたりから、適当なものをチョイスしたのち、【カタナ】【チャクラ】【カゲ】【カブトワリ】の何れかを組み合わせればよろしいかと思います。
 このタイプの典型例が、ルールブックや、トータル・エクリプスに登場する、天鵬院悠羽嬢でしょう。(彼女は、〈鉄壁〉と〈反射防御〉を所持しています)。彼女、実は対して強くない……。 というと、全国の悠羽ファン(かなり、多いらしい)に、冗談抜きでマカブられるので、彼女についてはこの辺にしときまして……
 このタイプのキャストは経験点を注ぎ込めば注ぎ込むほど強くなるという有利なキャストになります。
参考例として、基本的に選べる2つのチョイスの仕方をあげてみますと……
 凶悪さ(しぶとさ)を追求するのならば、〈見切り〉〈不動〉を2L以上で所持してみてみましょう。相手が、最終的に20以上のダメージを叩き出してでも来ない限りは、まず死なないでしょう。〈メレー〉〈回避〉を組み合わせて、”クリスタル・ウォール”を使用するとさらに強力です。〈見切り〉4Lにもなると、はっきり言ってダメージらしいダメージを被りません
 肉体戦を追求するのならば、〈鉄壁〉〈見切り〉の組み合わせです。はっきり言って、肉体戦に関しては上より凶悪です。こんな、キャストが出てきたらRLは泣きますよ。何故ならば、〈メレー〉〈回避〉〈鉄壁〉で防御した場合、此方側が有利(達成値に3つの中で最も高い技能レベルを足す)となり、差分値が激減します。次に、〈鉄壁〉の効果の適用……。受けと、装甲が2倍がなります。”クリスタル・ウォール”で+8に、防具分を足しますので、合計で10前後のダメージが減ります。そして、〈見切り〉の適用……。 最早、30点以上ダメージを持ってくるか、《神業》を使用するしか殺す道はないでしょうね……。ただし、この場合は”斬らせて耐える”という西洋戦士的発想となりますが……
 では、『斬られたく(撃たれたく)ない!』という、チャンバラ的思考の方は、悠羽嬢と同じく〈鉄壁〉と、卑怯な攻撃に耐えるために、〈反射防御〉あるいは、〈戦術〉を取ってください。〈反射防御〉と〈戦術〉の能力差は『技術指導2』をご覧下さい。

 

3−2−2.ボディ・ガードへの道

 この、ボディガードの基礎論考は”キャストが生き残るのではなく、クライアントを護りきる覚悟の論考”といたします。
 従って、しばしばキャストに生命を賭けた行動を取らせる内容が書かれております。そもそも、【カブト】とは、己の身を”盾”として、依頼主から報酬をもらう、まさに”士(もののふ)”の如き職業だと考察します。だからこそ、災厄の魔都:N◎VAで、唯一の”信頼”の名が【カブト】に与えられるのです。
従って、『死ぬべき時に、死す』、あるいは『死するべき事ぞ、みつけたり』という覚悟が、必要だと思います。
 私個人の、愚考といたしましたしては、『信念(スタイル)を貫く』ゲームであるN◎VAにおいては、『死』の覚悟の出来ない方には、専業【カブト】を演じるのは難しいかと思います。【カブト】とは、かくもありたいものだと思います。


3−2−2−1.人を護ると言うこと

 はっきりと、言いますが【カブト】のスタイルとはいえ、非常に難しいことです。特に、経験点のない作りたての【カブト】は非常に出来ることが少ないです。従って、手を伸ばさず、出来ることを確実におさえていくことです。欲言えば、【カブト】は2枚ほしいところです。理由は後述します
 必要な技能と言えば、最優先に挙げられるのが〈カバーリング〉です。《難攻不落》には、使用回数に限りがある以上、おいそれと通常攻撃に対しては使用できません。 私の、少ない〈社会:ウェブ〉技能で検索をかけましたところ、以外と”所持している【カブト】が少ない”ということでしょう。有名キャストでも所持しているのは、”銀の守護者”ブロッカー氏(3L)、”正義官”藤咲竜二(4L)、石槌(2L)、”夜の女王”ヘカテ(音羽の姐さん?)(1L)……と、匆々たる御仁方のみです。 なんか、まさに『ボディ・ガード』って感じの方々のみですね。 念のため、申し上げますが、旧版(1st〜2ed)の音羽の姐さんのキーはカブトでした。 まあ、何が起こったかは此処では述べませんが……。
 〈カバーリング〉の効果の方は、『技術論考2』で説明するとして、一言で言うと、”自分の身を捨てて、誰かを庇う”技能です。映画:ボディガードのクライマックスシーンを見ていただければ、一番わかりやすいと思います。名作ですので見られた方も多いと思いますが、参考がてらに……。 
 件の効果はともかく、【カブト】の覚悟の現れだと思います。 とはいえ、一発防いだだけで手折れていたのでは【カブト】としては失格です。 自らの受けたダメージを致命傷にするわけにはいきません。 そこで、出てくるのが、〈最後の砦〉です。この技能は、カバーリングにおいて「受け」値を足すことが出来るようになります(これがないと、本当に身代わりに死亡することがよくあります)。
 さらに、防御効率を挙げるためには〈鉄壁〉〈八重垣〉が有効です。〈鉄壁〉は「受け」と「装甲」を二倍にする技能です。装甲は、この際役に立ちませんが、”クリスタルウォール”の+8の受けは強力です。さらに、〈八重垣〉でもう一本武器を使用できればかなりのダメージを軽減できます。少なくとも、一撃で戦線離脱は、ある程度、避けられるはずです。
 もう一声と言いたいところが、〈見切り〉です。世の中には、「アクションランクを使用せず、使えんスート(主としてクラブ)の処理にもなる」ということで、〈鉄壁〉よりも愛用されているようですが……。確かに、〈見切り〉は強いです。
ゲストが2L以上持っていると戦闘が2〜3時間にも及ぶという……、私の所では6時間もクライマックスが……
閑話休題。 とにかく、〈カバーリング〉〈鉄壁〉〈最後の砦〉にくわえ、〈見切り〉があれば、アクションを消費せずにノーダメージで人を庇うことも可能になります。
 技術的なことはこの程度として、今まで提示しただけでも〈カバーリング〉〈最後の砦〉〈鉄壁〉〈八重垣〉〈見切り〉の4つが出てきています。戦闘で人を守り通すだけでこれだけの特殊技能を所持しなければならないとなると、【カブト】1枚では辛いと前述した意味がご理解頂けたと思います。
 自分一人が生き残るだけでも手一杯な魔都:トーキョーN◎VAにおいて自分以外の人間を守ろうというのですから、これ位のリスクと手間を背負わねばならないと言うことです。 

 他のシステムならいざ知らず、たとえキャストはアクトで生き残っても、スタイルを貫けなかった(【カブト】ならば、依頼主を守り通せなかった)キャストは完全な敗者です。
 たとえ、キャストは死んでもスタイルを貫いたならば、その【カブト】は(多分)悔いはないでしょう……。
 RLは、キャストがスタイルを貫き通して死したならば、判定を甘めにしてでもプレイヤーに経験点を与えるべきだと思います。
(だからといって、キャストは甘えないように。 『温情主義』というものは、受け手(キャスト)が『厳罰的(自分に厳しい考え)』であるからこそ、バランスがとれるものです)

 

では、最後にもう一度だけ質問します……。  貴方に、それだけの覚悟はありますか?


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